六本木ミニだより
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2004年01月29日(木) |
TUTAYA六本木店の、おそるべき秘密。 |
■仕事で見るため、どこかでビデオを借りなければならなくなった。六本木ヒルズの中には、超カッコいい巨大なTUTAYAがあるが、会費を聞いてみたら、入会金が500円だという。ひょえっ、高くない? 六本木駅の入口にも小さなTUTAYAがあるが、こっちも入会金は500円。レンタル料金も、どっちも当日が290円で、7泊8日は400円。そんなー。
■「クレジット会員になれば入会金、年会費は無料で、クレジット払いだとすべて1割引きになります」。でも、入会金をけちって個人データを渡すのもイヤだし、カードを落すリスクもあるので、現金入会を選び、ビデオを借りた。
■なんですかこの可愛いバッグは。ふつうのTUTAYAの青いバッグより、内部クッションもずっとしっかりしており、PALMとかいれても大丈夫そうだ。手提げだから絶対に落さないのも嬉しい。元麻布の方に住むシロガネーゼさん、ジャニーズ系のタレントさん、夜中にすっぴんでうろつく私、誰がもってもそれなりに決まりそうなところもニクイ。
■もちろんビデオの在庫もたっぷりあり、1階の書店売り場には、試し読み用の椅子もたくさん用意されていて、スターバックスまで併設されている。朝の7時から翌朝4時まで、両方が開いている。 ちなみにヒルズ店と六本木駅前店のカードは共通で、さすがにカードを2枚作る必要はないのでした。
■大学4年の夏に受けた、講談社の筆記試験のなかで、今でも忘れられない問題がある。時事的なキーワードをいくつかあげて、コメントをつけさせるという問題のなかで、「ランディ・バース」というのがあったのだ。1987年のことだ。
■知らない人もいるかと思うけど、ランディ・バースというのは、当時の阪神タイガースのバッターです。後でモルツのCMにも出てましたね。19年前の阪神優勝のときの立役者だったバースが、その年、突然、退団、帰国して、世間は大騒ぎになったのだ。それは、彼の退団の理由が、「難病の子どもの手術のため」というものだったからである。ほんとうに、そんな理由で勤め先をやめる男がいるなんて、当時の日本人には、「3人目の妻が妊娠したから帰国する」というぐらい現実離れしたことだったのだ。当時のランディに対するマスコミの視線は、「そんなことで帰国するなんて、我がままだ」という風潮が圧倒的だった。
■私は、試験問題に、「彼に対するこの厳しい風潮は、子どものために自分の意思で時間をさきたくても、そう簡単にはできない日本のお父さんたちの嫉妬ではないか」と書いた。この筆記試験を友人たちのなかで私だけが通過したのは、この回答のできがよかったからだと今でも思っている(その後、面接で落ちたけど)。
■バース・バッシングが一段落してから、評論家たちの、「アメリカでは、子どものために仕事をやめたり変わるのは当たり前です」といったコメントが出てきた。「やっぱり日本と違うんだな」と、当時の私は感じたものだ。 今、テレビを見る時間はますます減ってしまって、yahooでしかニュースを読まないのだけれど、マリナーズ佐々木主浩投手の退団のニュースを聞いて、バースの事件のことが思い出された。今回の退団を、アメリカでも批判する人はいるらしい。結局メディアの舵取りひとつで、どうとでも書けることなんだよなあ、と今は感じる。だからニュース見るのいやになっちゃうんだよね。
■私が発起人をしているJASSUの総会が3月にあるので、その準備のための事務作業をした。本部の事務所は町田(他の発起人のカウンセリングルーム)にあるのだが、今年の作業は我が家でやることにした。
■引っ越してから40日のあいだに、これでなんと7人の人が家に来た。すごいペースだ。ヒルズより観光地化している。
■仕事スペースをたっぷりとったため、ソファを置いたり床に座ったりする場所がない(だからうちに来てくつろごうとすると、ベッドの上でごろごろせざるをえないのだ)。しかし、立地の良さと物珍しさも手伝ってか、予想以上にたくさんのお客がある。もうちょっと、「客をもてなすスペース」をきちんと計画すればよかったな、と、少し後悔している。一方、事務作業だったら、この場所で、3人ぐらいは同時にできることもわかった。
■東京は広い街である。たとえば、パリ市は、東京の山手線の内側ぐらいの広さだ。たいていの人と20分ぐらいで会えるとしたら、さぞかし気楽に会えるのではないか。一方、東京では、友人知人たちは、都内どころか、神奈川や埼玉にも散らばっている・・・。「今度メシでも」といって、結局1年に1度になってしまうのは、そのギャップを物語っている気がする。 ここに越してきて、「直接会う」ことの良さを、痛感している。
本日のお茶うけ。おみやげの「アマンド六本木店特製・いもあらい坂むらさきぽてと」と、私が用意した明治屋スーパーの特売品「こわれおかき」。
2004年01月23日(金) |
収支。(アイロン情報つき) |
■引越し後40日ほどたって、1ヶ月の収支が出始めた。
■劇的に下がったのは、電気代、食費、交通費。たとえ「暖房も調理も電気のみ」であっても、ワンルームの電気消費量はたかが知れているらしい。ほっと胸をなでおろす。食費は、疲れずに家に帰ってこられるので、調理する元気があるため。おかげで食費と交通費は、今までの半分だ。
■ガス代は横ばい。上がったのが水道代。水道は、意外な落とし穴で、東京23区のの基本料金は、川崎市の倍近かった。
■そして、もう一つ劇的に下がったものがある。地方税と、それに基づいて計算される国民健康保険の保険料だ。 単身の個人事業主にとっていちばん家計を圧迫するのが、この国民健康保険の保険料なのだ。おおまかにいって、申告所得が350万円ぐらいになると、保険料は年55万円、つまり1月5万円近くになるのだ! (ちなみに、年収350万円でも年収1億円でも同じ55万円)。どんなに食費や交通費を切り詰めても、なんかもう、「一発ドン!」って感じでお金が消えてゆく。国保は世帯単位だから、単身者世帯は圧倒的に負担が重い。ふだんは気にならなくても、このときばかりは、日本の「世帯主義」がしんしんと身にしみる。 私の国民健康保険料は、おかげで約3000円下がった。地方税も来年は下がるかと思うと、どっと嬉しい。
家計がシェイプされたから、というわけでもないが、念願のアイロン買い換えた。ずっと欲しかったベビーロックのやつ。「ティファールのヴェルドゥーゾ」か「ベビーロック」で迷っている人、新宿ミシンで値段聞いたら、たぶんこっちにするんじゃないかと思う・・・。
■先週末、私が映画評論のクラスに通っていたパルコ毎日カルチャーシティが閉鎖になるというので、そのクラスのメンバーだった方たちと、講師の品田雄吉先生とお茶会をした。私が六本木に引っ越したことはもうお知らせずみだったので、映画はもちろん、その話題でも盛り上がった。
■で、みんなに話しながら、はっきりと気がついたのだけれど、「六本木に引っ越したこと」って、私の人生のなかで、嬉しかったことベスト3に入ることなのだ。いや、ベスト1かもしれない。出版社の入社試験に合格したときも、結婚したときも、新しいボーイフレンドと暮し始めたときも、そのお祝いにふたりでケーキを買ったときも、映画評論で賞をもらったときも、仕事に復帰できたときも、営業で仕事がとれたときも嬉しかったけれど、でも、こんなに嬉しかったことはなかった。
■ほんとうに、何をしていても嬉しい。今でも、家の前の小道から六本木通りに出たときなど、ちょんちょん跳ねて歩きたくなる。心のなかで「わーい!」といっている。家にいて掃除や洗濯をするのも嬉しいし(すごく身が入る)、どこかへ出かけるのも嬉しい。帰ってくるのも嬉しい。青山ブックセンター六本木店から5分で帰ってこられるというのも嬉しいし、明治屋で、高い野菜を買おうかどうしようか真剣に悩むのも嬉しい。銀座から15分で帰ってこられるというのも嬉しいし、仕事のあいま、いっぺん家に帰ってちょっと休めるというのも嬉しい。ここに住んで、ほんとうに、嬉しくて嬉しくて、しょうがない。
ご飯を炊くときの必殺技。沸騰した水が鍋のなかで100度以上を保つように、水を入れた大きな鍋で重しをかける「自家製圧力鍋」。でもそのパワー、すごいの。おコメが見事に立つようになった。
2004年01月15日(木) |
このアイディアがいいねと君がいったから |
■12月24日の日記で紹介した、「タンスのこやし接着芯を換気扇フィルターに代用」のアイディア。貼り付けて1ヶ月たったので、「そろそろ?」と思ってはがしてみると、茶色っぽいシミがいくつもついていました。写真を撮ろうかと思ったけど、ちょっと見えにくいし、きれいなものでもないのでやめましたけど。まあ成功といえるんじゃないでしょうか。大喜びで新しいのに張り替えました。
■新しい家には油を置いていない、作るのは煮物、汁物、蒸し物だけ、それも毎食作るわけでもないのに、この程度汚れがつくので、もっと料理量が多い人は結構効果があるんじゃないでしょうかね。
■ところで、12月12日に引っ越して、すぐ貼り付けたので、「そろそろ1ヶ月だな」ということがすぐわかった。私の「掃除苦手人間改造計画」の中でも、「月に1度はどそこそこを拭く」「2ヶ月に1度はなになにを取り替える」というのをスケジュールに組み込むのがとくに苦手でねえ。でも、「12日」というのが1つの指針になったから、ちょっとうまくいきそうな気がする。そんなわけで、毎月12日はフィルター記念日、です。
2004年01月11日(日) |
やましい新年の始まり。 |
■罪の告白。すごく高い鍋を捨てた。14年前に買った、イタリア、ラゴスティーナ社のやつ。フタがドーム型で、それはそれは美しいデザインだったのに。 それなのに、当時のアルミ鍋と鉄鍋しか使ったことのなかった私ったら、「ステンレス多重層鍋は強火でガンガン炊いてはいけない」という癖をどうしてもつけられず、焦げで真っ黒にしてしまい、ずいぶんこすったけどとれなくなっていた。こんなに見た目がみじめだったら人にもあげられないし、あと、柄が長すぎて新居のミニ・キッチンでは絶対ひっかけて危険だと思ったので、思い切って捨てた。
■罪の告白。それなのにまた高い鍋を買ってしまった。上記のような事情で、新居はクリステルのお鍋三点セットだけにしたのだが、一人用の小さな鍋が欲しい。フィスラーも良かったけど、東急ハンズに行ったらドイツのWMF社というところの(日本では貝印が輸入)鍋がとてもどっしりしていて美しく、しかも小さなキッチンでは両手鍋が断然使いやすいので買ってしまった。 6000円もするお鍋で味噌汁作っている。でも、なんてステキなお鍋。ああ、ナルシズム・・・。
こういう場合はタバコの箱と並べるのが定石ですが、手元にないので275mlのペットボトルと並べてみました。ちっちゃいけど立派だからあまり小さく見えないかも。ところで電気コンロって、火力を最高にしてもステンレス多重層鍋が焦げない。何回か使っているうちに、どのなべ底もぴかぴかになってしまった。
2003年12月30日(火) |
私には、愛が足りない、といわれた気がして |
■M's closet のmihoさんが我が家に遊びにきたとき、かわいいポインセチアの鉢をギフトにもってきてくれた。説明書を見ると、「よく日の当たるところに置いてください。でも外気には触れないで、窓ガラスごしの光がベスト」と書いてあった。今の部屋は西北向きで、恐ろしく日当たりが悪いのだが、それでもなんとか頑張って、窓際においておくようにした。水も、気をつけて適度にやったつもりだった。それなのに…・・・。
■今日友達が来て、この惨憺たる植木鉢を見て大爆笑して帰っていった。「気をつけていたのに、どんどん葉っぱが落ちるんだよー」といって鉢を持ち上げたら、さらに、ぱらぱらと葉っぱが落ち、一層無残な姿になってしまった。
■なんだか、子守りに預かった子どもがいつまでも泣き止まない気分だ。うえーん、早く帰ってきてよー。こっちが泣きたいよー。
■結婚していた頃、うちのダンナさんは、毎年といっていいほど年末になると風邪をひいていた。次に暮したパートナーも、お盆休みや年末には必ず熱を出して、せっかくの夏休み、ふらふらになりながら京都を歩いたこともあったなあ。「みんな、私と向き合わなくてはいけない時期になると身体が拒否反応するのかしら?」とちょっぴり落ち込んだこともあった。
■さて、今年になって意気揚揚と新生活を始めたら、なんと自分が昨日からひどい風邪をひいてしまった。一昨日はくしゃみ、昨日は鼻水、その日の夜に熱が出て、今日は熱は下がったけど喉は痛い、と、短いけどフルコースで駆け抜けていっている。その前の日までは、風邪ひきたくてもひけない状況にいたからなー(私はふだんの仕事の締め切りはきちんと守る方なのだが、今年の年末進行はかなりずれこませて、編集さんを泣かせてしまった。ごめんなさい)
■こういうのを「ふんだり蹴ったり」というのだろうが、昨日、くしゃみしながらコンタクトレンズを入れようとしたら、手が震えて、レンズを流してしまった。前の家の洗面台と違って、排水溝にアミがついていないので、いっかんの終わり。あーあ、新しいの買いに行かなきゃ、と思うけど、薬でぼーっとしていて、あまり動く気にならない。
■それでも、カーテンライナーを縫っておいたのはよかった。つけてみて驚いたのだが、これ、窓の外からの車のノイズもかなり防止する。昼間、自分が生活音を出しているときはまったく気にならないのだが、夜、電気を消してベッドに入ると、六本木トンネルからの車の音が聞こえていた。それが、まったく気にならなくなった。げにおそるべし、空気の層。
2003年12月27日(土) |
引っ越して、最初に縫ったもの。 |
■それは、カーテンのライナーです。
■私は遮光カーテンが好きじゃない。真っ暗な部屋からカーテンを開けて、「ぎゃっ」と思うと、毎朝瞳孔に拷問を与えているような気分になる。それに、無印の麻混ベージュのが気に入って(ファブリックのカタログに出ているやつ)これで頼もう! と決めていたのだけど、これは遮光じゃないし。
■しかし、これだけでは窓からの冷気を防ぎきれない。窓から1メートルぐらいのところにベッドを置いていて、ごろごろしながら庭の植木を見るのはまことに気分がいいのだが、とにかく寒い。そういうわけで、古シーツをたっぷり使って2枚がさねのライナーにしました。
■作り方が分からなくて東急ハンズで相談したら、「テープ使うより、フックの間隔を測ってボタン穴をあける方がいいですよ」と教えてもらったのに、間隔を測るのとボタン穴をあけるのが面倒くさくていったんテープを買ってしまった(だってそうすれば直線縫い2本ですむと思ったんだもん)。でも、結局テープについたフックを差し込むところの間隔がうまくあわなくて(意味わかります?)もう一度やり直しに。おかげでたったこれだけのことに5時間ぐらいかかってしまったよ。
■しかし、ライナーと重ねたカーテンをかけたとたん、「ばしゅっ」と冷気が遮断されるのがわかった。おお、大成功。やったかいがあって、良かった。
■それにしても、これだけ単純なことが、実は職業用ミシンじゃないと厳しいことんだよなあ、と実感する。2枚重ねた天竺を三つ折縫いするということは、布が最低6枚重なっているわけで、途中ではいであるから、そこは各2枚ずつ重なるので10枚分、さらに、段差も結構ある。ミシン、もってこようかどうしようかずいぶん悩んだんだけど、もうしばらく、一緒に暮らそうかい(うん)。 何だ? 今の声は。
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