毒茄子
レガお君



 やめたくもなるわい。

独身最後の二日酔い。

やっぱりワインはダメ。
頭がガンガンしておなかもヘン。
なのに今日は婚礼料理の試食会で
コース料理なんか食べられるのか?
肉とか気分悪くなりそうな・・・。
と不安に思ってたら
昨日の行いを知ってる先輩から
「独身最後の日曜は二日酔い?」
と図星のメールを頂く。

高校教師は会うなり不機嫌。
思い当たる節はと言うと
昨日、奴はバイクを新居に移動して
私と待ち合わせようと思ってたのに
私は「花火で道が混むから」と
結局新居には行かなかった。
それぐらい。

なんだけど
そんな事で不機嫌になるなよ。
何で奴がバイクを持ってくるのに
私が一緒にいなくちゃいけないのか。
バイク関連に関しては
私ができることなんて一つもない。
それだったら私は私で
全然片付いてない実家の荷物を
少しでも早くまとめたい。

思うところは色々あるんだけど
何で機嫌が悪いのかはハッキリしない。
奴がいつものごとく喋らないし
「眠いん?」「機嫌悪いん?」
「しんどいん?」と質問しても
「いや」って言うだけだから
もう放っておく事にする。

食事会は成約者のみの招待で
本番さながらの雰囲気。
丸テーブルに何組かのカップルがいて
隣のカップルは喧しいぐらいに喋る。
もう一組は新婦とその母で
もう一組はどちらかの両親カップル。
皆さん装花や料理の写真を撮ったりして
それなりに楽しんでる様子。
で、うちは二人とも黙って黙々と食べる。
他所からしたらかなり感じ悪い。

感じ悪いまま食事会が済んで
いちおう引き出物とかを見て回るのに
奴は気もそぞろだから私とぶつかる。
で、奴のジャケットに私の化粧がついて
私が汚れ具合を見ようとしたら振り払う。
「化粧ついたよ」って言ったら
「別にええ」って言うから
カチンときて放置する。
夏の汗かきお肌にもしっかりつく
ウォータープルーフファンデをなめるなよ。
私は洗わないからね。

機嫌悪いのかと聞いても「いいや」で
私が奴の機嫌を気にしてるのをわかってて
だからといって態度が変わる訳でもない。
私にしたら「だからどうしろって言うねん。」
という感じで非常に気分が悪い。
引き出物を見て回って
色々パンフレットを貰って
私がたくさん紙袋を提げてても放置で
普段とは全然違うのがあからさま。

一緒にいても気分悪いだけだから
早々に撤収することにする。
それでも暑い中ジャケット着て帰るのは
さすがに辛いかなと思って
送っていこうか?って聞いたら
「ええわ」って。ふん、好きにしろ。

って本当はお茶碗も買いに行きたいし
マリッジリングも取りに行きたいし
バイクの移動と違って
二人でする事はたくさんあるのに
そんな感じで進まない。

奴が帰ったから私は一人で
こつこつ自分の荷物を運ぶ。
そう、自分の事は自分でするの。
嫌々手伝ってもらっても
気分悪いだけだから手伝えとも言わず。
と思いながら気持ちは重い。
式場で別れるときに「新居に寄るけど
何かしとくことある?」って聞いたら
「別に」って。これまた気分悪い。

うちにはまだトイレットペーパーもないし
ティッシュもないし換気扇カバーもないし
空いたダンボールとか緩衝剤を捨てないと
新しい荷物なんて置くとこもないのに
そんなの何も気づいてないのか?
わかってたら「捨てて」とか「買って」
って言えると思うんだけど。

とにかく機嫌が悪い時に奴が
むっつり黙ってるのがムカつく。
結局今日は奴から喋りかけた事はなかった。
同居で私を無視できると思うなよ。
無視するぐらいなら
ハッキリ言われる方が楽というより
無視されたらお話にならないから
お互いの思うことは伝わらないわけで
それじゃ何の解決にもならない。
こういうのがあると、籍入れるのが嫌になる。

結婚するといったら楽しみと一緒に
不安もしっかりあって
それがいよいよ目前になって
不安も増大する時にこういうのは辛い。

果たして無事に入籍にこぎつけるか?

2004年08月08日(日)



 ママは夜遊び

立秋。

独身最後の週末は夜遊び。
とっくに結婚して出産した友達と
女3人で久々に三宮で飲む。
私はどこでもよかったんだけど
毎日子育てに追われてる二人は
「そらぁ飲むんやったら三宮」
という事で非日常を夢見る。
他人は花火大会で海へ向かうけど
私たちは山の手へ。

かつては毎週三宮で遊んでた母2人。
今日はこどもを実家に預けて
「ママお仕事」はいいとして
「ママ歯医者」とかワケわかんない理由で
子は「ばぁばと留守番」っておりこうに
いつものお返事で出かけてきたらしい。

二人ともこどもが色々喋りだして
自分の口真似をする。
真似するのは「ああそうなん」「ふぅん」
という他愛もない相槌から
受話器を取ったらまず「ごはんないで」
という笑えないものまで。
子は母の背中をみて育つ。

二人ともダンナはやきもち焼きで
昔なら三宮へ行くと言ったら
1時間おきに電話がかかったり
「男とおるんちゃうやろなー」と
余計な詮索がしつこかったりしたのに
今日は「もう3人ともオバハンやから
ナンパの心配もないなぁ」と
聞き捨てならないコメントだったらしい。

もともと独身時代から
いつもキレイにしてた二人。
少々ブランクがあったところで
ちゃんと化粧してそれなりのカッコだと
おおよそ子持ちには見えない。
一人は何気にマリッジリングを
外して出かけようとして
ダンナに文句を言われたらしい。
ちゃんと、そういうとこ見てるのね。

「ナンパの心配はない」と言いながら
結局たびたび電話してくるダンナ1。
「仕事終わったら合流するわ」と
あからさまなけん制をかけるダンナ2。
ふたりとも馴れ初めはほぼナンパだったし
心配なのがひしひしと伝わってくる。

あっさりとおいしい和食の店で
開店からラストオーダーまで居座る。
そこから2軒めへ行ってさらに飲む。
花火の日だけあって
飲み屋は空いてて嬉しい。
結局ダラダラ飲んで
ベロベロに酔っ払って
終電の中でも騒がしく過ごす。

確かに結婚して子どもがいる状態で
終電まで遊ぶってなかなか難しい。
昔は朝まで遊んでた彼女たちも
途中で子どもが寝たかどうか
実家に電話で確認したりしてる。

そんな二人に「落ち着いたな」
と言われた私。
昨日片方のダンナと駅で偶然会って
車で家まで送ってもらったけど
そのときのダンナの感想も
「レガおちゃんに久々に会ったけど
めっちゃ落ち着いて
キャピキャピさは消えてたわ」
というモノだったらしい。

職場の年齢層もさることながら
やっぱり結婚するとなったら
そんなもんなんだろうか。
結婚してもキャピキャピな人はいる。
「落ち着きたい」と思って結婚する私は
まぁそれでいいのかなぁとも思うけど
「落ち着く」と「老ける」を
履き違えないようにだけしないと。

ダンナ連中がしつこく警戒したナンパは
寄ってきたのはカラオケの呼び込みだけ。
「土曜はカップルだらけで
あまりナンパという雰囲気でもない。
遊ぶなら金曜よな」というママ二人。

負け惜しみと真実が交錯する。




2004年08月07日(土)
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