約束はいつの日だっただろう。 交わされた約束はいつ果たされるのか。 ちょっと前のような、遠い昔のような。
『サクラの咲く頃、会いにくるよ』
いつのサクラの咲く頃か、毎年指折り数えていた。 一年、二年・・・。 今年で六年目になる。
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懐かしい夢。 まだ小学校の頃の夢だ。
私たちはいつも一緒で。 学校に行くにも一緒に遊ぶのも。 4人でいることがなによりも楽しくて。 誰ひとりかけることもなかった。
初めての別れは小学校4年生。 幼なじみの海音が海外へ行くことだった。 離れるのはいやだったけれど、仕方のないことだった。 みんなでわんわん泣いて、海音を見送った。
海音がいなくなって、残された3人はいつでも一緒。 中学も、高校も。 そうするのが自然で、他の選択肢は考えてもなかった。 変わったことは・・・海音の話をしないこと。 アルバムを見ることもしない。 忘れたいわけではないけれど、思い出すのもつらかった。 ただそれだけ。
そんな海音がいたときの夢を見た。 別れのあの言葉。 果たされるのはいつ? 夢にまで出てくるとは思わなかった。 あの優しい顔、声、もう忘れてしまいそう。
起きたとき、声を思い出す、目を閉じて顔を思い出す。 16歳になった海音はどんな声で、どんな顔なんだろう。 想像もできない。 会えるときまでの、楽しみでしかないのかと思うと、また悲しくなった。
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