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睦言未満の戯れ合い。 | 2008年04月30日(水) |
その右手が彼女の滑らかな頬を撫でてゆく。 眠たげに下ろされた睫毛がふるりと震え、彼は思わず指を離した。 蝶が羽化するようにゆっくりとまどろみから目覚めた少女は、寝台の傍らで身を竦める彼に静かに視線を定める。 青白い月の光が差し込む瞳に濁りはない。射抜くような鋭さもなく、包み込むような強さも持ち合わせてはいないその眼差しの儚さに誘われるように、彼はおそるおそる指を伸ばした。 こめかみから頬へと軌跡は流れ、ふっくらとした小さな唇をなぞる。 双眸は既に閉ざされている。すべてを彼に委ね、少女の意識は再び夢と現の境を彷徨っているようだった。 指は首筋をなぞり鎖骨を通って肩へと進む。そのままくたりと投げ出された腕を滑り、肌のなめらかさと柔らかさを愉しむ指は白い指先を絡め取った。 荒れたところのない小さくて柔らかな手は、彼の片手にすんなりと収まる。丁寧に慈しまれてきたその躰を惜しげもなく放り出す彼女に、彼は小さな笑みを零す。彼が彼女を傷つけるかもしれないと思うことのないその信頼は彼の自尊心をくすぐり、男としての矜持にいささかの傷をつけた。 添えた指先に軽く口付け、指をきつく絡める。目の前の無防備な少女を組み敷く誘惑が心の底を焦げ付かせ、つかの間理性の檻が瓦解する。 細い顎に指をかけ上向かせる。心中で荒れ狂う嵐とは裏腹に唇を重ねる動きは落ち着き払っていた。眠りの淵にある娘からの抵抗はなく、彼は衝動の赴くままに幾度も口付けを重ねた。はじめはただ壊れ物に触れるかのように、次第に激しく。 呼吸を損ねて喘ぐ、声ともつかぬ呻きが彼女から零れる。その響きの甘さに飢える心は鎮まるどころか勢いをましたが、彼は微笑って体を離す。 僅かに責めるような色をして彼を睨む瞳を宥めるように口付けを落とし、髪を梳く。彼が毎日櫛を通していとおしむ艶やかな髪はその指を引き止めることはしない。 再びとろとろと寝入る少女を見送り、彼は音もなく席を立つ。空いていたカーテンを閉めると、濃い闇が部屋を満たした。 ****** 明日(もう今日だ)提出の課題が終わらなくて現実逃避。 感覚的に理解した文章を論理的に要約するのってなんでこんなに難しいんだ。 あからさまにえろくない行動でどこまでえろさを出せるか試行錯誤しています(何故)。ていうか全裸より下着姿の方がえろいよねとか思うんですがどうですか(だから何故)。まぁこのシーンはあからさまですが。 ぶっちゃけこれ英国ゴシックもどきを目指している話なんですがあの背徳感とか淫靡さってどうしたら出せるんだろう。色気のない作者じゃ無理か。 |