HIS AND HER LOG

2006年06月24日(土) 神様のいうとおり


ある、晴れた日の午後のことだった、綱吉が獄寺と共にひと仕事終えて自宅に戻ってきたのは午後5時を少しすぎたところ、黒いベンツから降りてみると、玄関の大きなとびらの左半分が全開になっていて、その前には彼の家庭教師、弱冠7歳の家庭教師が、背を向けて立っていた。片方だけとはいえ、彼の家のとびらはとても大きかったので、7歳の小さな少年の向こう側にいる人物の姿をまるまる見とめることが出来た。それは、彼の中高での先輩であり、遠い親類であり、今は彼の元でヒットマンとして生きる女性の姿であった、栗色のウェーブヘアーが夕方のゆるい風になびき、透きとおるような真白の肌は、なぜだか少しきらめいているように見えた。運転席から降りた獄寺が綱吉と同じように彼女に気付き、つぐみさん、と声をかける、綱吉は彼とつぐみが今、恋愛関係にあることを知っていたので、その様子を一歩後ろから見守るように眺めていた。しかし、彼は何も知らなかったので、そのときつぐみが何も言わず走り去ってしまったことも、リボーンが獄寺を名指しで呼んで、共にまた屋敷の奥に消えていってしまったことも、沈む太陽のもとでただ不可解に思うしかなかったのであった。ある、晴れた日の午後のことだった。


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