男きょうだい・1

或る朝のこと。

住宅街の広い四つ角に差しかかったとき、左手から小学生と中学生とおぼしき兄弟が連れ立ってやってきました。
最近あまり見かけなくなった学ラン姿のお兄ちゃんは、どうやらまっすぐ駅へ向かう模様。一方ランリュック(…って言うんでしたっけ?)を背負った弟くんがは、右へ曲がってゆくらしく、そこでふたりの行く道は分かれることに。
特に挨拶もなくズンズン歩き出しているお兄ちゃんに向かって弟くんが、「行ってらっしゃーい!」と、まるでドラマの子役のごとき爽やかな笑顔をよく通る声で呼びかけました。
そこで振り返る…まではゆかなくても、せめて片手を挙げるくらいのことをやればこれまたドラマのワンシーンのようでカッコイイのに、お年頃のお兄ちゃんはテレくさかったのでしょうね。まったくノーリアクションで去ってしまいました。
弟くん、ショックだろうな…と他人事ながら心配したのですが、いつものことなのか彼も既に自分の行くべき道へ向かった後でした。

たとえばこれが女きょうだいの場合、お年頃であろうが、機嫌がいいとか悪いとかにも関係なく、一応「じゃあね」「バイバイ」くらいのやりとりはあるように思うんですが、どうなんでしょう?
テレくさいという感情ひとつとっても、女子よりも男子のほうがダンゼン繊細な気がするんですよね。
2007年09月09日(日)

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