いつだって陥ってからおもいだす 会いたいひとには会えないでいる ひとひらのタスケテはこのゆびで潰した なにをタスケテなのかも鈍った頭は もやもやと散って掴めなくなるし 言葉は口先で、つまづいて転がりおちる たたきおちる地に
あかいひもを編めたらいい ぐるぐるに、ぐるぐるに巻きつけてもまだ余る 丈夫で頼りがいのある、紐 あかい綱。
それにくるまって、くるまって、あたし 風の意志をもって吹き荒れているあの崖に いきたい。
拠り所の髪の毛が手のほどこしようもなくもつれて切り落とされても。
会いたいひとには全然、全然、 会えないのに。
9・12、未明
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