睦月の戯言御伽草子〜雪の一片〜 Copyright (C) 2002-2015 Milk Mutuki. All rights reserved
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そんな言葉が似合う そんな出来事・・・ 僕はそう考えるのが精いっぱいだった。
僕のいままででそんなことは無かったと思う。 なかったはずだ。
姥捨てというのはいわゆる口減らし。 花の村はそんなに貧しいのかといえばそうでもないようだ。 ただ、慣習になっているというそれだけのこと・・・
年寄りはこぞって時期が来るとどこかへ消えていく。
その後は全くどこを探してもどんなに山奥へ探しに行っても 見つからないのだそうだ。 決まってここの短い春に数人ずついなくなる。 今回は花の祖父母だったようだ。 花には両親がなく祖父母が頼りだったのだ。
「まだだって言っていたのに・・・」何度も繰り返しながら嗚咽する花
僕も笙もどうしていいか分からない・・・・
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