その昔、ゼミの先生に 「作家になるために一番必要な才能はなんですか」 とゼミ仲間の誰かが言った。
先生は 「どんな時でも書き続けられること」 と答えた。
アイデアは誰にでもある。 それをストーリーに組み立てることも 文章にしていくことも ある程度勉強すれば、慣れて出来るようになる。
実際、ゼミを受けていた皆、そこそこのものは 作れていた。そうだ。先生曰く。
でも、大学を卒業して 仕事をしたり結婚したり子育てをしたり そんな日常の中で ずっと書き続けていけるのか。
それが大きな才能なのだ、と先生は言った。
残念ながら私にはその才能は無かったよう。
でも「続ける」才能が大切なのは きっと合唱だって同じだ。 良くも悪くも「趣味」と分類される合唱を 環境の変化や心境の変化のなかで どれだけ続けたいと思えるか、そのための努力ができるか。
その才能はあったのかも、とちょっと自惚れていたけど 自信がなくなってきた。
とても中途半端な自分がいる。
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