理由なんて、多すぎて一つにはできない。 「なによりも俺はお前が一番大事だよ」 嘘。 「愛してるんだよ」 無意識のうちに体が動く。求めるように腕が絡み付く。 強請るように自分から噛み付くようにキスに答える。 目眩が酷くなって瞼をふせる。 「好き」 繰り返し、繰り返し、息も絶え絶えに唱えながら深く深く口付けを交わす。 ――嗚呼目眩がする。 きっと今この体には彼の毒がまわっている。 次に目が醒めた頃にはまたこんな事を繰り返すのだ。飽きる事なく何度でも記憶を消して。 何度でも何度でも滑稽なぐらいその甘さに酔って。 -- 2003.08.30 こんなものすら今は書けない。
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