昨日のさらに続き。 -- 唸り声にびくりと体が震えたのをみて、亜久津は小さく笑った。 「お前らは異質なものを忌み嫌う。そんでその結果迫害されるのはいつもこっちだ。まぁ、数が違うから……当然なのかもしんねーけど」 その笑みに自嘲気味の笑みとはこういうものなのかと千石は思いながら眉をひそめた。 「じゃあ亜久津は……物の怪なのか?」 「……そうだとも言えるし、違うとも言える」 「どういう、」 言葉の途中で狼が弾かれるように起上がり、牙を向いて飛びかかってきた。 「…ッな」 千石はとっさに腕を額の上で交差させたが、狼は千石を無視するようにその後ろへと跳んだ。 千石が驚いて振り向きかけると、亜久津が狼にやめろと叫んだ。 けれど次の瞬間、狼は弾き飛ばされ、千石の背にぶつかって彼を巻き込みながら亜久津の側まで吹き飛ばされた。 思いきり壁に体をぶつけ、千石は目を閉じた。 痛みと衝撃の強さに、どこが痛いのかすらよくわからない。 「ッてめぇ!」 牙をむいてあちらを睨みつける亜久津の姿が視界に映る。 何がどうなっているのかわからず、言葉すら口にできない。 あくつ。 それでもたった一言だけでも言おうと口を開いた千石の耳に、聞覚えのない声が聞こえた。 少し低めの、この状況ではおかしなぐらい落ち着いた声。 「……思ったよりも元気そうじゃないか、亜久津」 -- ゆ…ゆるしてください……_| ̄|○ (一人だけ楽しくてすいませんごめんなさい…次もっと痛々しい捏造出てきますよ……)
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