1/27(木) 引っ越し決定。
先日書いた新居探しの件ですが、
ようやく決まりました。大国町の2DK。
家賃7万以内で、2DK以上で、なんば(大阪の中心部)近辺で、
鉄筋コンクリート(RC)以上って条件が難しかったのか、
中にはとんでもない物件を見せられたりもして。

まずは和式のユニットバスね。いやいや、ありえないっしょ。
湯船のすぐ横で、同じ目線の高さに和式便所が鎮座してやんの(笑)。不潔感満載。
「お風呂に入りながらトイレ掃除も出来ちゃいますよ」とは不動産屋の弁。
「ああ、そりゃ便利」・・・ってオレが言うとでも?
あと、部屋は広いけど、まったく陽の光がほとんど入らない2LDKとかね。
そこはマンションの造りが変わってて、ベランダがマンション中央の吹き抜けに面してんのな。
今回の部屋探しは広さを求めてたから、その点に関しては申し分ないんだけど、
ベランダがすぐ向かいのベランダと向かい合ってて、しかも薄暗いってどうなのよ。
さらに、和室に付いてる唯一大きい窓は廊下側。
窓を開けてると廊下を通る人から丸見えになるって寸法。
つまり、窓は完全にシャットアウトせざるを得ない仕組み。だったら窓の意味っていったい?
ここの特筆すべき点はもうひとつ、風呂の狭さ。
セパレート(風呂・トイレ別)になってるのはありがたいが、
他の部屋の広さに反し、風呂は湯船と洗い場を入れても一畳程度(!)の極狭空間。
こんなの閉所恐怖症の人だったら発狂しちゃうって!
ただ、こんな部屋にも広さ以外に長所はあって。
というのも、マンションの名前が「不夜城」。シブすぎだろ、おい!
普通住所を書くときは「1−3−5−501」とか略すけど、
ここはフルネームで書きたくなるよね、「1−3−5 不夜城501」って(笑)。

そんなダメ物件も含めて、結局5、6件ほど部屋を見せてもらったんだけど、
最終候補に挙がったのは以下の二件。

場所 : なんば (JRなんば駅から徒歩1分!)
家賃(共益費含む) : 7万
保証金 : 25万
間取り : 2DK (6畳・6畳・4畳半)
ユニットバス
新装してから数年しか経っていないため部屋はきれい
北向きのため、日当たりはダメダメ
2〜3畳ほどある広いベランダ

場所 : 大国町 (JRなんば駅から徒歩10分ほど)
家賃(共益費含む) : 7万
保証金 : 40万
間取り : 2DK (6畳・6畳・4畳半)
風呂・トイレはセパレート
マンションの外観はきれいだけど、中はそこそこ古め
東向きで、日当たりは良好

なーんかどっちも一長一短で、点数を付けると両方とも80点ってとこか。
ま、大阪市内の、それも中心部で2DK以上を7万以内で探すのがそもそも無謀なんであって、
さすがのオレも100点は無理だとわかってたんで、80点は充分及第点。
じゃ、どっちにするかってことなんだけど、正直80点同士で甲乙付けがたいのよね。
が! 不動産屋の一言で後者の部屋の価値が100点に跳ね上がり、即入居決定!

それは部屋を案内してもらってたときのこと。
後者の部屋を見たのが夕方だったんで、
薄暗い廊下で不動産屋が鍵をゴソゴソと開けてると、
突然エレベーターの方から「キャッ」という声。
見ると妙齢の女の子二人組で、オレらを泥棒とでも勘違いした様子。
その後、誤解を解いて部屋を見てると不動産屋が一言。
「さっきの女の子たち、隣りの部屋で二人で暮らしてるんスよ」
決めた! ここに決めた! この部屋に100点、いや、200点あげちゃおう!

そんな不純な動機でオレの新居は決まったわけでありますが、
でも女の子二人が住んでるってことは防犯面は安全ってことだしさ、
生活していくにあたって周囲もそれなりに便利なんだろうし、
ま、結果オーライなんじゃないの、と自分を言い聞かせてみたりして。

現在、審査の結果待ちで、二月中旬には引っ越し予定。
落ち着いたらみなさん、遊びに来てちょうだい。

1/25(火) さよなら、S。
ところでSが来てからというもの、一切仕事はしておりません。
というのも、この極狭な部屋に二人でいると、仕事どころじゃないのよな、やっぱ。
スペースがないというのももちろんあるけど、そもそもそういう気分になれなくて。
かといって、Sを養ってる以上、支出は今までの倍だから、このままじゃヤバい。
で、どっちみち二月か三月には引っ越しを考えてたから、
予定を少し早めて、いっそこの機会に引っ越しすっかと。
引っ越して仕事を再開すれば、収入も元に戻って、生活も安定するだろうと。
んなわけで、ここ最近は毎日物件探しに奔走中でして。

で、日曜も二つの物件を見て、Sの待つ部屋に戻ったところ、
物件探しでテンションの上がってるオレにSが一言。
「俺、大阪でやっていける自信ねぇ・・・」
えぇぇ !? ここに来て今さら自信喪失 !?
ついこないだまでは、頑張ってバイト探すぞ、なんて張り切ってたのに !?
もういきなりオレのテンションも急降下ですよ。
どうやら特大級の鬱がやってきたようで、
新生活への自信喪失や大阪で働くことへの不安、
北海道で待つ母が持つ病気への心配やオレに対する申し訳なさなど、
いろんなネガティブ思考が一気に頭を駆け巡り、
一時は死にたいとすら思ったとか(!)。
そんな状況で、母親と電話で相談して、
いろいろ考えた挙げ句、北海道に帰ろうかと思ってるとのこと。
オレはそれを止める権利もないし、むしろホッとすべきところなんだろうけど、
そこは金八イズムが顔を出し、ついつい余計な説教を始める始末。
「まだ大阪で何もやってないんだからさ、結論を出すには早計じゃねぇ?」
しかしそう簡単に立ち直れないからこそ鬱なんであって、
オレの言葉は馬耳東風で、次はSの母親と電話で話す羽目に。
「娘さん・・・いや、息子さんの考えを一番尊重すべきで、赤の他人の僕に何も言う権利はありませんが、
言わせていただくならば、大阪に来たのも何かの縁ですし、
ここでもう少し頑張って何かを残した方が、彼の自信に繋がるかとも思うのですが・・・」
そうは言ってみるものの、やっぱ第三者に過ぎないオレの言葉なんて空虚でさ。
向こうからしてみりゃ、馬の骨が何を偉そうに御託並べてやがるって話でしょ、やっぱ。
そんなこんなで、結論はS自身が朝まで考えてみるってことに落ち着いて就寝。

翌朝、Sは開口一番、「俺、やっぱ今日帰る」と。
そこまで言われるとさ、オレにはどうこう言うことは出来ないし、
たった十日間といえども偽兄弟として一緒に生活してただけに寂しさもあるんだけど、
ここは手を振って送り出してやるのも兄貴としての役目なのかなあと。
しかし、だったら引っ越しを急ぐ意味はどこに・・・買ってやった自転車っていったい・・・。

ま、いろいろと納得出来ないこともあれど、
とにかく今日帰るってことで、急ピッチで荷物をまとめて実家に送り、
帰りの飛行機や空港までの移動の手はずを整えて、
最後に一緒にメシでも、ってことで近所のファミレスへ。
帰り道、Sが「これあげる」と言って、小さなカッターナイフをオレにくれたのな。
よくよく見ると、カッター部にわずかに血痕の跡。
「リスカに使ってたんだけどね。これを俺だと思ってさ」と冗談を言うS。
これは、もうリストカットは止める、ってことをオレに伝えてくれてるのか。
そう思って、最後に少しジーンときたオレなのでした。
・・・ま、気持ち悪いんですぐに捨てましたが(笑)。

こうして、オレらの同居生活はあっけなく幕を閉じました。
そして今、もうオレの部屋に彼はいなくて、
帰宅して「ただいまー」と言っても返ってくる言葉もなく、
メシを食いながらつまらない話をする相手もなく、
狭い部屋だけど、ひさしぶりに一人になってみると、案外広い部屋じゃん、なんて。

そんなオレが、今一番思ってること。
「これでやっと安眠出来る!」
そう、あいつ寝相が無茶苦茶悪かったんだよ!(笑)

最後にSよ、世界は窮屈だろうが達者で暮らせよ。
グッドラックであります(ケロロ軍曹)。

1/24(月) オレったら最高なんです。
オレは自分では結構冷静沈着と思ってたけど、
ふとした思いつきで見ず知らずのSを住まわせることになり、
Sが来ることが決まってから、改めて冷静に考えてみたのね。
「なぜオレは彼にメールなんて出したのか」と。
だってさ、やっぱどう考えても普通じゃないっしょ。
メールさえ出さなきゃ、こっちから能動的に関わらなきゃ、それで済んだ話じゃん、って。
メールを送った時点ではいろんな問題を抱えてるとは知らなかったわけだけど、
そこを抜きにしても厄介すぎるでしょ、狭い部屋で知らない男と住むなんてことは。
じゃあなぜオレは彼を大阪に呼んだんだ?
その理由を考えて出た結論は二つ。

まずはさ、オレは家族が欲しかったのかもしんない。
昔のヒッピーってさ、疑似家族(コミューン)を形成したりしてたでしょ。
血の繋がりじゃなくて、心の繋がりのある本当の仲間が家族のように一緒に暮らしてさ。
オレ、そういうのになぜか憧れがあんのよね。
といっても、別に本当の家族と不仲なわけでは決してないんだけど、
本当の家族とは別に、そういう一生をともにする信頼出来る仲間がいるっていいよなあと。
だから、さすがに本物のコミューンは無理だとしても、
将来友達みんなが結婚して家族を持つようになっても、
みんな近所に住んでお互いの家を行き来出来るような、
プチコミューンを築きたいなと以前から思ってて。
その憧れへの一手段としてさ、彼を大阪に呼んだってのはあるよね。
もしかすると、彼が家族になってくれるんじゃないかっていう期待を込めて。
実際、今は兄弟のような距離感で一緒に暮らしてて、
そりゃ狭い部屋だから鬱陶しく思うこともあれど、
文句を垂れながらも、それなりに毎日楽しく暮らしてるわけで。
「だったら彼女を作って同棲すればいいんじゃ?」と思ったあなた、
オレもその意見に100%賛成(笑)。
でも・・・・・その彼女がいないんだからしょうがねぇじゃんよ!(泣)

もうひとつは、これが一番大きい理由だったりするんだけど、
オレはルックスを除いて、とにかく自分が大好きなのね。
もうオレ史上最強、オレ天下無双、オレ唯我独尊、ってなもんですよ。
オレに一切の間違いはないし、もうなんなら悟っちゃってるし(神の域?)、
どうしてみんなオレの真似をしないのか?ってほどのオレフェチで。
完璧であり、完全体であり、パーフェクト超人である、それがオレ、と。
・・・ま、早い話がバカなんですが(笑)。
そんなオレはSを無償でサポートすることで、
「あー、やっぱりオレってかっこいい」と思いたかったんだろうなと。
メシをおごってやったり、部屋着を買ってやったり、自転車を買ってやったり、
こっちに何の得もない、端から見れば行き過ぎたいい人ぶりを発揮するにつれ、
「あー、こんなこと出来ちゃうオレってホント最高!」と。
要は自己満足のためにSを呼んだってのが一番大きな理由で。
だって、Sが軽い鬱に入ったときがあって、それをオレがなだめたとき、
心から思ったもんね、「ギャー!オレってかっこよすぎ!」って(笑)。
そして、同時に思ったのは、どうしてこんな優しい男に近寄ってくる女がいない!と(泣)。
いや、いつの時代もヒーローはわかってもらえないもんなんスよ・・・。

そんなこんなで十日間、Sとの不可思議な同居生活を送ってきたわけでありますが、ここに来て急展開。
今日、突如としてSは北海道へ帰っていってしまいました。
次回、Sとの生活最終章。

1/21(金) 欲情と処理。
Sがうちに来て一週間。
初めの三日ほどは心配だからずっと一緒に行動して、
天王寺やなんばを軽く案内したりもしたけど、
ようやく大阪にも少しは慣れてきたようで(でもよく迷子になってる様子)、
最近はそれぞれ別々に行動しております。
たまーに鬱モードに入るときもあるようだけど、
やはり環境を変えたからか軽度なもので、
リスカやオーバードーズまではいかない様子。
というか、問題を起こしたら即追い出す約束。

で、この日記を読んでる人が気になってるのは一点に尽きると思うのね。
「とはいっても相手は女でしょ? 欲情はしないの?」
実際、狭いからシングルベッドに二人で寝てるし、
本人は同性気取りで目の前で普通に着替えやがるけど、
幸か不幸か、性欲は一切かき立てられませんな。
それは彼が来るまでにオレの心の準備が出来ていたからか、
もしくは、そもそもオレのタイプじゃないからかもしんないけど(笑)。
なんつーか、弟分、もしくは妹分みたいなもんだから、
欲情するどころか、「普段からナベシャツ(オッパイを圧迫するかたちで着用する
男装用の強度の強い下着)着てるから胸の形悪いよなあ」なんて言って笑ったり。
なわけで、話としては面白くもなんともなくて恐縮ですが、
Sに欲情するってことは正直一切ないっスわ、残念ながら。

でもそんなオレにも問題はあるわけで、
それは数日前、Sに直接指摘されました。
「一緒に住むってことは・・・オナニーはどうすんの?」
ギャ〜、痛いとこ突かれた〜!
そこは放っておいてほしかったが・・・。
大きい声では言えないけども、留守中にこっそり処理してますですよ・・・。

Sの話、もうちょい続きます。
次回はオレがSを呼んだ理由。

1/19(水) 二人の距離。
いやはや、ついにSが大阪にやってきましたですよ。
1月14日の夜、ヨドバシカメラ付近で待ち合わせたものの、
この時点ではお互いの素性が知れず、
不思議な関係性なだけに、互いのポジションもわからず、
しかもお互い人見知り気味で、どうも微妙にぎこちない二人。
トランスジェンダーでもまだホルモン投与はしてないみたいだから、
ルックスはビジュアル系のボーイッシュな女の子といった感じ。
オレは性同一性障害ってことで勝手に上戸彩を想像してたんだけど、それは違いました(笑)。
そりゃ唇の真ん中に尖った口ピアスを付けた上戸彩はおらんわな。トホホ。

まずはうちに移動して荷物を置いて、メシを食いに近所のファミレスへ。
今までオレの周りに鬱の人間なんていなくて(理由はみんな脳天気だから)、
彼が来るまでネットで少し勉強してオレなりに考えて、
Sを傷つけないように鬱を考慮してなるべくソフトに接しようなんて思ってたんだけど、
やっぱオレには冷静にふるまうことなんて出来ないわ、この状況では。
だってさ、性同一性障害で鬱で自傷癖があってゲイでって、・・・こんな人間周りにいる?
もう聞きたいことが噴出してきて、気を遣ってる場合じゃないっしょ!
相手を気遣うどころか、自分の興味がまずありきで、矢継ぎ早に遠慮のないクエスチョンの嵐!

・いつ自分が男と気付いたのか?
・トランスでゲイってことはノーマル(女)として生きた方が楽なんじゃ?
Aセクシャルらしいけど、だったら彼氏は何をもって彼氏というのか?
・鬱にもいろんな症状があると思うんだけど、Sの鬱ってどんな鬱?(気遣いゼロ)
・将来的にはチンポ付けんの?(無神経な質問)
・リスカの跡見せて〜。(超無神経な要求)
などなど。

今にして思えばいきなり深く聞きすぎたかとも思うんだけど、
やっぱこれから一緒に生活していくんだし、まずは遠慮してる場合じゃないよなあと。
何よりも、なるべく早く彼を理解したいって気持ちがあるからこそ聞くわけだしね。
でも傷つくどころか、それはSも同じことを考えてたようで、
何も包み隠さず、洗いざらいぶっちゃけてくれたのよな。
いやー、詳しくは彼のプライバシーに関わるから伏せておくけど、
日記に書けないのがもったいない濃厚な話がてんこ盛り。ゲップ。

「相手はメンタル面に弱さを抱えてんだからもう少し労ってやれよ」という声も聞こえてきそうだけど、
でもこのぶっちゃけタイムがあったからこそ、
オレらの中で一気に距離が縮まったのも事実であってね。
オレはオレで、うちにお客さんを迎えるかのような、
少し遠慮した、かしこまった部分もあったんだけど、
この時間を経て、そんなもんいらねぇかって。
つーか、そもそもSの鬱を考慮する必要さえねぇわと。
だって、これからクソ狭い部屋で一緒に暮らしていくわけよ。
それじゃとてもかしこまってる暇なんてないだろうし、
鬱を気遣って遠慮してる余裕もあるはずないだろうし。

腹が立ちゃ怒るし、言うこと聞かなきゃ怒鳴る。
うん、こうなりゃ何も遠慮しないでいこう。
それがオレの愛情表現だとSはわかってくれるはず。
下手すると、それは危険なことかもしれないけど、
でも、なるようになるでしょ、きっと。

そんなこんなで気付くと深夜三時。ファミレスに居座ること三時間。
帰り道、行きよりも少し肩の距離が近い二人なのでありました。


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written by オレ 

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