ボケとツッコミ - 2002年06月24日(月) ひとを大別すれば、ボケとツッコミのふたつになると思う。 僕はどちらになるかといえば、おそらく「ボケ」のほうに入るだろう。 僕とて、他人へのツッコミがまったく出来ないわけではないのだが、典型的ツッコミのひとたちのように、「反射神経」的なツッコミがなかなか出来ない。 彼らときたら、ほんと、「一瞬のチャンス」を絶対逃さない。 「あ、来るぞ来るぞ」と思っていたら、間違いなく次の瞬間にはツッコんでくるのだ。 それにくらべると僕などは、ツッコミのチャンスがあってもついつい見送ってしまい、しばらく後になって、「こうツッコむべきだったかな」と思ってしまうほうなのだ。 たまにツッコんだとしても、手加減を加えずに言ってしまうことがあり、相手を本気で怒らせてしまったりする。これじゃシャレにならない。 慣れないツッコミをしても、失敗に終わることが多いのである。 そういうひとはムリをせずに、ボケ役に回ったほうがいい。 人間、なにごとも、「適性」というものがあるのだよ。 ボケはボケ、ツッコミはツッコミに徹したほうがいいってこと。 さて、そういうキャラなものだから、僕はツッコむことよりはツッコまれることの方が圧倒的に多いし、またそういう状態でいるほうが安心できるとさえ言える。 実は、女性との付き合いについても、同様のことがいえるのである。 自分のほうから、どんどん仕切ってくる女性のほうが断然いい。 「あなたの好きなように」なんて言われると、ダメ。 もう、ガンガン自分の好みを通してくれるほうがいいのである。 「あなた、そんな髪型じゃ似合わないわ。変えたほうがいいわ」 みたいなことをいわれたほうが、しっくり来る。 これまで、好きになったり、実際付き合ったりした女性はみな、そういうタイプ。 例外はないといってよい。 ただ、ボケ役の「辛さ」も、ないではない。 ボケとはいっても、役回りとしてボケになっているだけだから、ほんとうに相手のいうことにすべて納得しているわけではない。 時には「えー、そーかよー、違うと思うがなー」と疑問を感じることはある。 でも、いちいち反論していたら、すぐ口ゲンカになりかねない。 なにせ、むこうは天下のツッコミ上手である。勝ち目などまるでないと言ってよい。 だから、ほぼ無条件で相手のいうことを聞く。 それが、自分的にもラクなのである。 もしかして、僕って、かなり「M」入ってる? ... もどかしい話(三) - 2002年06月23日(日) きょうは、もどかしいのは男性の側だけでなく、女性もまたそうであるらしいというお話。 十数年前のこと。 当時独身の僕は、大学で同じ学科だった関係で、わりとつるむことの多かったW君(彼も独身)と一緒に、土曜日に開かれたあるパーティに出席した。 そこは「異業種交流」をうたい文句にしており、決して「ねるとん」タイプのお見合いパーティというわけではなかったが、実情としては、異性をナンパするために顔を出しているヤカラも少なからずいたようだった。 ま、適齢期の独身男女が数多く集まるところ、そうならざるをえないものだが。 そのパーティで、僕らは、たまたま、ある中堅化学工業会社の社長秘書をしているFさん(僕より数才年下)と知り合った。 たしかに秘書をしているだけあって、物腰がやわらかく、声のきれいな女性だった。 顔立ちもそう、悪くはない。色白で、ポチャッとしたタイプ。 体型が、若干ふくよかかなー?という感じはあったが。 彼女から、最近旅行した香港で撮ったという、チャイナドレス姿の写真も見せてもらった。 しっかりとメイクをした彼女も、なかなかの美人だった。 僕はそこで会社の名刺に、自分の自宅(ひとりずまい)の電話も書き添えて、彼女にわたした記憶がある。 彼女の自宅の電話番号も教えてもらった。 W君も同様のことをしていたはずだ。 でも、別に「ナンパした」という意識もなかった。 というのは、当時僕は、ある女性と付き合いたいという思いでいっぱいで、今回知り合ったFさんと深く付き合おうなどとは、まったく思っていなかったのである。 まあ、これで少し女性の知り合いがふえて、出会いの機会が広がればいいかな、という程度の期待しかなかった。 端的にいえば、わりとスリムな女性が好きな僕としては、残念ながら彼女はタイプではなかったのである。 さて、その後、彼女の家に夜電話をして、気楽なおしゃべりをするという、「交際ともいえぬ交際」が始まった。 僕は、好きなタイプの女性にはなかなかそういうことがフランクに出来ないくせに、あまりタイプではない女性には、平気でそういうことが出来てしまうところがある。 (皆さんも、そういう傾向ってお持ちではないですか?) Fさんも、なかなか気さくなところがあって、彼氏でもない僕にプライベートなことも含めて、いろんなことを話してくれたものだ。 「●●さん(僕のこと)とわたしの兄(銀行員だそうだ)っておない年なのに、兄のほうがずっとおじさんくさいの」 とかいった話も聞いた。 で、とりあえず、付き合っている男性はいないようだった。 それゆえ、僕のほうも、あまり気がねしないで、夜9時台、10時台に平気で電話をしたものである。 そんな付き合いが数ヶ月続いたある日。 ある晩、Fさんから電話。 普段快活な彼女なのに、その時に限って、どうも声のトーンが沈みがちなのである。 どうしたんだろうと思っていたら、急にこんなことを切り出した。 「わたし、実は、今度結婚することにしたんです」 それを聞いて、僕は内心、「ええーっ!?」と思った。 これまでは、そんな話、まったくなかったのに…。 もちろん、別に彼女に惚れていたわけではなかったので、ふられたショックというわけではなかったが。 彼女から事情を聞くに、少し前から知り合いのひとに薦められていた見合い話があったそうな。 で、しばらくは逃げていたのだが、結局「Fさん、彼氏だっていないんでしょう」と説得され、先日お見合いをして、相手の求婚を承諾してしまったのだという。 相手は誰もが知っている某電機メーカーに勤めている男性。 そのうち、彼女の声が次第に涙声っぽくなってきてしまった。 「わたし、このお話をOKして、本当にいいのかどうか…」 なんて言い出し始める。オイオイ…。 結局、彼女をなんとかなだめて、電話を切ったが、じつに後味が悪かった。 そして、 「もしかしたら、彼女は僕と付き合いたかったのかも知れない」 と、ふと思った。 僕が彼女にフランクに話をしていたのは、彼女のことを特に好きという感情で見ていなかったからなのに、彼女は、そういう僕と、本当は付き合いたかったのも知れないのである。 そういう風に考えれば、これまでの電話での会話にも、そこかしこに、僕の心をさぐろうとするようなニュアンスがあったことに、初めて気がついた(もっと早く気づけっての)。 女心にはまったく疎い僕にも、今回はそういう微妙な「空気」がようやくわかったわけだ。 が、だからといって、彼女にもう一度電話して、「お見合いした彼じゃなくて、僕と付き合ってほしい」というほどの感情も沸き起こらなかった。 残念ながら、相手が自分を好きだからといって、こちらも同じように好きになるとは限らない。 それまではオトコの側ばかりが叶わぬ恋に苦しんでいると思っていたのだが、もどかしい思いをするのは、男性も女性も同じなのだな、そう思った。 Fさんとのコンタクトは、その電話が最後になった。 ところで、Fさんは、W君とも「電話での付き合い」はあったのか? もしかして、W君も結婚相手の候補に入れていたのではなかったのか? そのへんは、いまだに、まったくわからない(笑)。 ... 蓼食う虫・再 - 2002年06月20日(木) きょうは「もどかしい話」の続編に行く前に、昨日見かけたカップルの話を。 ある駅から電車に乗ろうとしたところ、僕の前に、少し長めの髪をした、結構顔立ちのいい二十代前半の男性と、そのすぐ後ろにこれまたちょっと横顔の綺麗な、その男性ともほぼ同世代と思われる女性が車両に乗り込もうとしていた。 「ははあ、このふたり、カップルだな」と思いながら、彼らのうしろから車両に乗り込む僕。 ところが、すぐに予想にまったく反する展開になる。 その男性と女性は、車内ではそれぞれ全然違う方向に歩いていってしまったのだ。 そして、その男性はどうやら、彼の前にいた女性に引っ張られていくようなのである。 彼らを目で追うと、なんとも意外な光景が。 小柄だがスマートな体つきで、端正な顔立ちの彼が寄り添ったのは、彼同様ジーンズにワークシャツ姿の女性。 失礼ながらそのお姿を拝見するに、化粧っ気のまるでないジミな顔立ち、しかもあきらかにプチ肥満体の若い女性だった。 下手すると、彼と同じくらい、あるいはそれ以上の体重がありそう。 彼らはまるで似ていないので、おそらく兄妹ではあるまい。 やはり、恋人同士だろう。 彼は彼女にぴったり寄り添い、彼女が読んでいるコミックスをしきりにのぞきこんでいる。 実に仲がよさそうなのである。 「うーーーーむ」 僕は、内心、深くため息をついてしまった。 この男性がこの女性を選んだのは、もちろん、彼の趣味嗜好だから、他人の僕がとやこう外野から文句を言う筋合いなどないのだが、それにしたって、なんとも腑に落ちない組み合わせ…。 で、こう考えた。 彼だって、別に、世間一般に「綺麗」といわれている女性にまったく興味がないわけではないのだろう。 ただ、過去において、何人かそういう綺麗な女性と付き合おうとこころみた結果、その都度、かなり「いやな思い」をしたのではなかろうか。 相当心を傷つけられるような目にあい、その結果、「綺麗な女性はもうイヤ」ということで、相手の容姿にまったくこだわらなくなったのではないか。 しかし、そういう考え方自体、もしかしたら、まったく「的外れ」なのかもしれない。 というのは、きょうび、生身の人間同士の出会いからではなく、ネット上の出会いから交際を始めるカップルも少なからずいると聞くからである。 たとえば、同好の士によるチャットがきっかけで付き合い始めるケースも多いらしい。 知り合って、相思相愛になってかなり時間がたってから、初めて生身の相手に会うなんてことも稀ではないようだ。 電車で見かけたカップルも、まずはネット上で、たとえばコミックスの趣味などがバッチリ合って意気投合し、その後、実際に交際を始めたクチだったのかも知れない。 前にも書いたことだが、男というものは、「自分にうちとけない美女」よりも「自分にうちとけてくれる非美女」のほうを選ぶもの。 はた目ではいかにもミスマッチなカップルではあっても、実は120%の相性なのかも知れない。 うーん、男女の仲って奥が深い。 ... もどかしい話(二) - 2002年06月19日(水) 「勝負日」のユーウツ 自分が交際したい相手が、フリーであるかどうかを確かめたいなら、以下のような日に会ってくれないかと誘ってみると、まずまちがいなくわかる。 1 相手の誕生日 2 クリスマス(特にイブのほう) 3 バレンタインデー、ホワイトデー この日は、もし本命の相手がいるなら、そのひとから誘われたときのために必ず空けておく日だからだ。 もし、お誘いにOKの返事が来たら、そうとう脈があると見てよいだろう。 しかし、個人的な経験でいえば、僕はこれら「勝負日」に意中のひとに誘いをかけて、ことごとく失敗している。 失敗その1 3才年下の、製薬会社に勤めるJさん。 ふだんは軽口をたたきあう仲だったが、ルックスも性格も、自分にとってはストライク・ゾーン。 知り合って、2年目。意を決して、今度やってくる彼女の誕生日に会いたいと、手紙で申し込んだ。 そうしたら、数日後、彼女からも手紙がやってきた。 それには、はっきりと「お会いできません」と書いてあった。 理由としては、当然、僕が正式に交際を申し込むつもりであることを見越して書かれていたのだが、「以前つきあっていたひとがいたのだが、彼と別れて以来、もう誰とも付き合いたいとも、結婚したいとも思わないので」というようなことが書き連ねてあった。 それが、彼女の本心であったのか、僕を傷つけないように配慮してついた嘘なのかは、よくわからない。 もし、つきあっているひとがいれば、「いる」といって断ったろうから、たぶん、いなかったのだろうが、いずれにせよ、僕じゃダメ、そういうことだ。 その後も、彼女とはしばらく(数年)、色恋ぬきの気楽な交友関係は続いたものの、決して恋愛には発展せず、僕も現在の妻である女性と付き合いはじめたこともあって、ふたりのつながりは自然に消滅してしまった。 失敗その2 モデルのTさん。 とにかく華やかな雰囲気を持ったひとだった。商売柄、当然といえば当然なのだが。 ある日何人かで飲みに行って、僕が彼女をタクシーで送って行く途中、クリスマス・イブの予定はなにかあるんですか、もしなければ食事にでも行きませんかと誘った。 すると「その日はダンスのレッスンがあるのでダメなんです」とか言われて、やんわりと断られてしまったのだ。 彼女の場合も、当時、特定の彼がいたふうではなかった。 というのも、モデルの仕事にあきたらず、もっと有名になりたい、タレントとして名をあげたい、というような「野心」に燃えていた時期だったので、特定の男性にかまけている時間などはなかった。 だから、まったくの「ウソ」ではなかったと思う。 が、いずれにせよ、玉砕であることに変わりはない。 まあ、彼女の場合も、その後、しばらくは友人としての付き合いが続いた。 特に、そのイブの誘いを断ったことを申し訳なく思ったのだろう、数日後にはそのフォローとしてか、自分の住んでいるマンションへ呼んでくれたことがあった。 ただそのときも、彼女はまったくスキを見せず、口説こうにも、とても口説けるような雰囲気ではなかった。 結局、彼女とは、その後、一年たたないうちに、音信不通となってしまう。 このふたつは、ほんの氷山の一角。まだまだ他にも似たような失敗がある。 結局、僕の場合、若いころから、「ムリ目の女性ばかり狙ってしまう」という、損な傾向ばかりあったような気がする。 もっと手頃な、ラクにつきあえるタイプの女性に目を向けたら、あんなに苦労はしなかったのにとも思う。 でも、結局、性分なんだよな。そういう方向へは、決して行かないのである。 別に後悔もしていない。 ヘンに妥協したほうがむしろ悔いを残しただろうから、これでいいのだ(笑)。 ... もどかしい話(一) - 2002年06月18日(火) あなたが仕事、あるいは共通の友人を通じてなどで、ひとりの異性と知り合ったとする。 この場合ポイントなのは、あくまでも「偶然」の出会いであって、お見合いなどのように意図的に紹介されたのではないということ。 たまたまそのひとが、自分にとってどんぴしゃのタイプだった場合、「つきあいたい」と思うのはごく自然な感情だろう。 だが、そこから実際に交際にこぎつけるまでは、ものすごく遠い道のりだ。 少なくとも僕の場合は、いつもそうだった。 たとえそのひとが、理想に限りなく近いひとであったとしても、すぐに交際を申し込むなんて不可能というものだ。 なぜなら、それだけ魅力があるひとなら、当然誰かとすでに付き合っていたとしてもおかしくないからだ。 それでもかまわない、交際相手がいても奪えばいい、突撃あるのみ!という豪胆な御仁は別として、とりあえずは、彼か彼女がいるかどうか、さぐりを入れてからということになる。 それも直接本人に聴いてしまえばええやん!というツワモノもいるだろうが、ふつうは周囲にリサーチをかけることになる。 同じ会社のひとや、共通の友人に聞いたりして、確認するわけだが、本人のキャラによっては全然その手のことを周囲にしゃべらない場合も多いので、はっきりわからない場合がある。 そうなると、ことは困難をきわめる。 交際相手がいようがいまいが、当たって砕けるしかないわけだが、そんなことが簡単に出来るような人間だったら、最初からそうしているって。 それが出来ないから、悩むのである。 けど、その相手を簡単にあきらめることは出来ない。 そこで、まずは、「交際」ノリでない「交際」をして相手のことを少しは知ろうということになる。 つまり、相手の好きな歌手のコンサートに行こうと誘うとか、みたいな。 これだったら、「私と個人的に付き合ってください」という感じには取られない場合が多いので、結構「使える」手なのである。 もちろん、ひじょうに敏感な相手には悟られることもある。 きちんと「恋人」として意識して付き合っている相手がいるひとには、「悪いけど行けません」と断られることもありますので、まあ、その時点で「失恋」してしまったといえそう。 でも、なんとか誘うことに成功したとしても、まだまだその先の道のりは遠い。 実にモドカシい話なんですが、あなたにもそういう経験ってないですか? (この項続く) ... モテるといふ事(其六) - 2002年06月17日(月) さて、このテーマ、今回で一応完結にしようと思っているが、思った以上に奥が深いので、なかなか終われそうにない(笑)。そのうちまた復活するかも。 今日は僕の周辺における「もっともモテる男」の話。 中学・高校時代のこと。 H君は、僕の同期の中で、一番ルックスがよく、スマートで、背も高かった(顔はむかしのアイドル、伊丹幸雄ふう。堂本光一にも少し似ている)。 以前「蓼食う虫」(4月14日)にも登場した、G君がライバル視していた、あのH君である。 頭も、ダントツとはいえないまでも、まあいいほう(その後、国立市にある某国立大学を出ている)。 中学・高校ではサッカー部に所属し、フォワードを担当。その一方でロックバンドのベースもやっていた。 当然、試合やコンサートでは、いちばん黄色い声援を集めていたクチだ。 こんなK君だから、みんなは「とても勝てないな」と思っていた。 が、かといって、ものすごくジェラシーを感じていたわけではない。 むしろ、彼のキャラクターをよく知っていたので、安心していた部分もある。 彼はあまり、自分の「ファン」に興味がなかったようで、そのどの子とも付き合おうとしなかったのである。 ただでさえクラブ活動やら、バンド活動やらで忙しいのに、女の子と付き合ってなんかいたら、受験に失敗するという意識が強かったのかも知れない。 だから、いくらでもチャンスはあったのだが、大学合格まで男女交際はおあずけにしていたのだろう。自制心がありますなー。 その後、大学に入ると、そこはあまり女子学生が多くないところだった。 もちろん、学内・学外を問わず、女子の人気は高かったが、彼としてはサッカーの方に熱中していたので、大学時代もあまり男女交際には熱心ではなかったようだ。 大学卒業後、彼は高校の社会科の教師になる。 採用されたのは、なんと女子校。 漫画「めぞん一刻」で主人公の五代が、教員実習で行った先の女子校で、八神というおませな女子生徒に翻弄されるというくだりがあるが、まあ、彼も似たような「歓待」を受けたのだろう。 そして、H君、おおかたの予想通り、その高校を卒業した元生徒のひとりと結婚。 なんとも、「お約束」を裏切らない展開に、僕たちは笑ってしまったものだ。 彼くらい、「カード」が揃っている男なら、それこそ、アナウンサーだの、スッチーだの、モデルだのといった「高嶺の花」だって十分狙えるはずなのに、意外に「手近」なところでつかまえてしまった(というより、「つかまってしまった」というべきか?)のが、なんとも可笑しかった。 つまりですね、いくらモテる男でも、その資質をフルに生かそうと考えない限り、結果的には、モテない男どもとさほどレベル的に違わない女性しかゲットできないってことですね。 このH君の例もあるから、僕は「モテる」ということに、さほど過剰な幻想を抱かなくなったといえる。 何十人もの女性からキャーキャー言われたところで、しょせんはひとりの女性としか、結婚できないってことです。(この項了) ... モテるといふ事(其伍) - 2002年06月16日(日) このテーマで、あと何回書けるだろう(笑)。 今回は、「モテ男列伝」。歴史に残りそうな(?)モテ男についてである。 20世紀最大のモテ男といえば、フランスの映画監督、ロジェ・ヴァディムにとどめをさすだろうな。 1928年生まれ、2000年に72才で亡くなっているが、彼の女性歴の華麗さといったら、ハンパではない。 かのブリジット・バルドーを見出し、18才の彼女と結婚、人気女優に育てあげたのをふりだしに、2番目の妻はアネット・ストロイベルグ(ヴァディム)、続いてカトリーヌ・ドヌーヴと同棲、子供(現在俳優で活躍しているクリスチャン・ヴァディム)まで産ませ、そしてアメリカ人女優ジェーン・フォンダとも結婚している。 すべて極上の女ばかり。いやー、ため息の出そうなプレイボーイぶり。 続くは、エリック・クラプトンというところか。 彼は親友であるジョージ・ハリスンの奥さん、パティに横恋慕してしまい、結局ジョージから奪ってしまった。(日本の昔の文豪や画家にも、そんな話がいくつかあったな) それでも、エリックとジョージの友情は、のちも変わることなく続いたというのが、すばらしい。 ただ、そこまでして結婚したパティとも結局別れてしまったのは、なんとも皮肉。 エリックは50代後半になった現在では、若い女性と結婚、一児をもうけているそうで、あいかわらず、お盛んであります。 これにくらべれば、わが日本のスケールは、かなりダウンしてしまう。 先年、仁科亜希子と二度目の離婚をした松方弘樹。 三度目、森下愛子との結婚でようやく落ち着いた吉田拓郎(一度目は四角佳子、二度目は浅田美代子)。 吉田同様、アイドル好きの後藤次利(最初の妻はシモンズのメンバーのひとり、二度目は現竹中直人夫人の木之内みどり、今は河合その子。工藤静香とも一時ウワサがあった)。 一度目はアイドルの石野真子、二度目は女優の志穂美悦子と結婚した長渕剛。 他にも、火野ナニガシとか、石田ナニガシとかいることはいるが、お相手の女性のレベルにおいて、とうてい欧米のモテ男たちに太刀打ちできるものではない(笑)。 そのなかで、なかなか健闘しているのは、次のおふたりではなかろうか。 ひとりめは作家の伊集院静さん。 彼は若いうちに一般ピープルの女性と結婚しているが、別れ、その後、あの故夏目雅子さんと結婚している。彼女が夭折した後は、薬師丸ひろ子との噂があったが、現夫人、篠ひろ子と結婚。 でも、まったく所帯じみる気配はなく、いまだにギャンブルと酒にあけくれる日々を送っている。これはスゴいね。 彼は、いわゆるハンサム系ではない。文壇には彼より男前の作家は何人もいる。 が、彼ほど女性の目に魅力的にうつるひともそういないようだ。 男くさい九州の炭坑地帯に育った、「硬派」な雰囲気をもつ一方、野球を愛する永遠の少年というイメージもあり、「最後の無頼派」とよばれる破天荒な生活を淡々と送る不良性、そして「文字」や「言葉」にこだわる繊細な文章家としての顔、いろんな側面を持っていることが、多くの女性をひきつける理由だといえよう。 もうひとりは、タレントの、そのまんま東。 彼も若いうちに現タレントの片平夏貴と結婚したが離婚、その後、女優のかとうかずこと結婚。 浮気、淫行だのと女性関係のチョンボの多い彼だが、いまだに夫婦として続いている。かとうかずこが、彼以上に肝っ玉がすわっていることが大きいのだろうが。 彼の場合は、単純に「お笑い」というワクではくくれない、文学青年としての顔もあるのが、武器といえよう。 このひとバカかしらと思わせておいて、決めるべきところではしっかりとキメる。 女性をリラックスさせることでは、天才的な才能があるのだろうな。 (実はもうひとり、美女遍歴で有名な作家(イニシャルT・J)がいるのだが、どうもロクなヤツではないという印象がぬぐえないのだ。よって、今回は無視。) ということで、結論。 「いい女は、知的で、しかも意外な側面を持つ男性に弱い」 ...
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