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電子辞書じゃなくて、 久しぶりに 紙の辞書を捲る
学生の時から使っている和英辞典 何度も何度も捲ってるから ページに手垢がついて 白かったはずの角がちょっと黒ずんでる
硬かった紙も もそもそっと柔かく くしゅくしゅっと 指に纏わりついてくる
和英、英和、紙の辞書が一対 電子辞書が一つ 学生の頃からずっと一緒に駆け抜けてきた 戦友みたいな感じ
もそもそ くしゅくしゅ 薄い柔らかな紙が 指先に絡み付いてくる
ちょっとくすぐったくて ちょっときもちいい
貴方がいるからじゃなくて 誰かがいるからじゃなくて
湧き上がる 言葉があるから 私は書く
聞こえてくる 音があるから 私は書く
この胸一つに 抱え続けるには 大きすぎるから
貴方がそこにいる それは知ってるけど
これは 貴方の為じゃないの それは知っていて
これは 私の為 もしかしたら 私の祈りかもしれない
湧き上がり 聞こえてくる 想いと音を こうして カタチにしていく
今、 この掌にある 自由
今、 この掌にある 祈り
想いと音 どこからやってくるのかは判らない だって、いつも彼らは傍にいるから 私が生まれた その時から
地に在りて 木に在りて 水に在りて 火に在りて 空に在りて 鋼に在りて
語りかければ それは 喋りだす
触れれば それは 温もりをかえす
たそあらんや
一人じゃない だけど 一人
見えないはずの表情が 語りだす
我助くは 我のみにて
そ在りしは その為に
ただ、 そこにいてくれる その温もりが うれしい
貴方は貴方の為にいる 私は私の為にいる だけど、隣にある温もり その直向な体温が 私にはうれしい
光の色 心の音 湯の香
風の声 間の想 空の温
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