CVR チャーリー・ビクター・ロミオ |
劇を観ました。演劇はあまり鑑賞する方ではないですが(知らないから;)、一週間程前に新聞で記事を見て興味をもったので。 実際に起こった6件の飛行機事故のボイスレコーダー記録を元に再現したものだそうです。
元々アメリカで上演されていたものを日本でも、との希望で共同演出されたものだということ。85年に起きた日航機の事故も含まれていました。実際に亡くなった方達がいらっしゃるデリケートな題材だと思うのですが、感想かかせていただきます。
凄い迫力でした。90分間体が固まってました。俳優さんたちは舞台中央部、椅子を4脚並べたくらいの空間しか使用していないのにね。動きも必要最小限の自然なもので。実際に力が入っていたと思われる場面では俳優さんの顔が紅潮してもいました。観てる方も力が入ってしまうほど。 多くの人命を預かり自分も命を落とすかもしれないという極限状態の中で、最後まであきらめず冷静に自分の責務を全うした人達がいたのだなぁと、グッときましたよ。 日航機の事故はニュースとして報道されていたのを見ています。たしかその時にもボイスレコーダーの断片は耳にしているはずなのですよね。今日の再現の中で一番印象に残ったのが「頑張れ!頑張れ!」っていう機長さんの言葉。劇を観て、昔聞いたことがあるように思いました。「頑張れ」って言葉は鬱病を患っている方には禁句だといいます。私も一時期仕事で精神的に落ち込んでいた時期に、本当に好意で「がんばって」と言われたにも関わらず「いや、頑張らない」と答えた経験があります(笑って言えるくらいだったので大したことはなかったのですがね;まあ今だから言えるんだけど)。「私はあなたの事を応援していますよ」という気持ちを伝えたい時にはすっと出てくる言葉ですが、使う際にはいつもためらうというか、相手の負担になっていないか考えてしまう言葉です。が、この機長さんの「頑張れ」は凄く胸に染みました。副操縦士や航空機関士を、自分を、奮い立たせる最上の言葉だったのだと思います。言葉の持つ意味っていうのは、発する方と受け取る方で必ずしも同じではないと常々思っていますが、状況によっても変わってくるものだと感じましたよ。何気なく日常的に使っている言葉であってもね。
実際にボイスレコーダーに残っていた記録以上の台詞や説明は無し。テキストを元にした俳優さん達の演技と音響照明等の演出のみで淡々と描かれる危機的場面の繰り返し。疲れもしましたが、本当に行って良かったです。
でもこの疲れは、昼に遊んでた友人に誘われて急遽上った山道のせい(しかもちょっとヒールのあるブーツで…。最初からその予定ならスニーカーはいて行ったさ;)なのか、総運転時間3時間(ドライブした訳ではありません。必要な移動距離が長かった…)のせいなのか、力の入る演劇を観たせいなのか分かりません…。
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2003年12月02日(火)
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