2006年06月09日(金)
なぜこれを手に取ったのか?
帯に記憶を失った青年は解剖実験に異常に興味を示す なぜそこまでしてそれを行うのか? と言うようなあおりがありましたので借りてみた
さて、この監督は鉄男とかの人だったと記憶しており あんまり気持ち悪い映画ばっかり作る人だなあと思っていた
この映画に関して言うと 妄想愛とでも言うべきか? 死なせてしまった彼女の記憶を忘れて ここ3年ほどのことも忘れて しかも、記憶が無いことに関する不安やおびえ、迷いも無いことに 不思議さを感じる
人は記憶の生き物なのにそうまでして無気力になるものか? 手探りでも悩み続けるものと俺は思っていたので この主人公浅野忠信演ずるところの人は いったいどういう脳内なんだろうと 不思議に思った
この人は解剖をしていくことで 徐々に記憶を取り戻していくが 全部じゃないのだ 彼女に関することだけを特に思い出す 思い出すと言うのは言い方が変で 脳の中にあっちとこっちの境目があって 現実世界と魂の世界があるらしい 交錯していく日常と精神世界を行き来して 彼女の父親にあっちの話をする 最初はむかついていた父親も だんだんとこころを許すようになっていくが 狂人の妄想だとは言及していなかった 人の心の迷いはそれが真実だろうがなんだろうが よりどころとなればそれを信仰するということか?
肝は、解剖していたのは死なせた彼女だったと言うところ
だから解剖していくうちにだんだんと描写が激しくなっていった 主人公の脳内世界と現実との行き来が微妙にずれてくる どこをどうとっても 現実世界のものでしかないのに 解剖中などに脳内世界にダイブしていく
解剖が終わるころ 彼の脳内には彼女が居なくなった 主人公ともう一人のヒロインが居るのだが 現実世界のヒロインに主人公が最後に一言 「ごめん」と そして現実世界のヒロインは 「ありがとう」と なにがそのセリフの対象になるかは見ている人によるだろうが 愛とはそこにあるもので どこでも享受できるものなのかもしれないと考えた
どんな形の愛にせよ それがその人にとって受け入れられるものなのであれば それはやはり真実なのだろうか 答えはその人にしかだせないから
時間は結構短かったが 別段気持ち悪くも無く そういう不思議な世界を感じさせる映画だった
さらに言うなら 万人向けでなく多分つまらないものに含まれるだろうと感じた
あ、俺はおもしろかったんだよ? ほんと
どこかに愛はおちてないかなぁ〜 拾って良いなら拾います
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