華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜 | ||
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2005年11月01日(火) 秘密営業。 〜勤務時間中〜 |
親愛なる読者の貴女に尋ねたい。 貴女は男の身体に、力の限り抱き付いたことがありますか? 貴女は男の胸で、声を上げて泣いた事がありますか? その男は、貴女の愛した人でしたか? 蒸し暑い、盆前のある日。 名古屋最大の歓楽地・栄にある事務所へ商用に来ていた。 ガラスを多用したビルの群れの中。 いくつもはみ出す室外機からは絶えず吐き出す唸り声と不快な熱気。 全身から猛烈に汗を導き出す。 恥ずかしいほど濡れたシャツが恨めしい。 夕方。予定の会合が終わり、帰社する予定だった俺に、 ある悪知恵が思い浮かんだ。 そういえば、この街のとあるマンションには「のぞき小屋」がある。 そこでひと涼みしてから帰ろう、と。 腕時計は午後5時25分を指す。 厳密にはまだ会社の勤務時間中である。 微かな背徳感が妙な男心と好奇心を掻き立てる。 この界隈は様々な業種の風俗が混在する。 下手に建前が立派な店よりも、忙しいビジネスマンには安価で実質的、 かつ短時間で事が済む店が重宝する。 その需要に似合った店がひっそりと存在する事を俺は知っていたのだ。 大通りより二本程、奥に入った中古マンション。 そのエレベーターに乗り、4階を押す。 古めかしいゴンドラが動き出した。 折り畳み扉が開いた、その先に目当ての小さい「店」がある。 黒いドアにOPENの名札が掛っていた。 ドアノブに右手を掛け、そっと引く。 玄関先で靴を脱ぎ、受付に向かう。 その脇に今日の女の子が写真で示してあった。 「綾乃」と幼い字で書かれていたその脇に、「新人」のシール。 初めて見る娘だった。 目鼻立ちが整った、俺好みの顔立ちの女である。 異論は無い。 のぞき、ハンド等のサービスが明記されていた。 俺はのぞきコースを選択肢、料金を支払った。 この日はたまたま客は俺一人。 俺は待合室でほんの少し待ってから、個室に通された。 真っ暗な個室は一畳ほど。真ん中に椅子が置いてある。 部屋の奥に、座った顔の高さの所にA4版ほどの窓があった。 この窓はマジックミラーだった。 アナウンスが聞こえる。 『それでは綾乃ちゃんとの素敵な10分間をお過ごし下さいませ!』 窓を覗くと、いつの間にかスーツの女…綾乃が座っていた。 その女はふと物憂げな表情をこちらに浮かべつつ、勿体ぶるかのように、 じれったく着衣をいじる。 OLっぽいタイトスカートを降ろしてストッキングを脱ぎ、 次に現れたキャミソールをさらりと肩から足元へと落とす。 お揃いの下着姿になった女は、そこで細い足をM字に開いたり、 わざと下着の脇に指を入れて整える、挑発的な素振りを見せつける。 さらに向かい合わせに椅子に座り、足を大きく組み替えながら雑誌を見遣る。 マジックミラー越しに見える、女の肢体はなかなか新鮮だ。 実際のオフィスでは、こんな光景にはお目にかかれない。 残り3分。 BGMが激しい曲調に変わる。 女は途端に雑誌を投げ捨て、ミラーに背中を向けた。 ブラのホックを外し、振り向きざまにカップを外す。 華奢な割に白くて豊満な胸が露になった。 若干大きめの乳輪とトップが可愛い。 ミラーの前まで寄り、自らの胸を両手で寄せ上げる。 そして、再び背中を向けた。 ショーツに手を掛け、女は躊躇なく脱ぎ落とした。 小さめながら、肉感溢れるヒップ。 女は左手で彼女自身を隠しながら振り返る。 上目遣いでミラー越しの男を見遣り、挑発する。 左手を徐に開くと、こぼれんばかりの豊かなヘアが表れた。 M字開脚で椅子にしゃがみ込み、指先で深奥を擽る。 多少暗めの照明は覗き見する男の背徳感を煽り、女の肉体を幻想的に見せる。 しかし最も男の視線を釘付けにするだろう深奥までは見えない。 音楽が途切れ、いきなり照明が落ちた。 先ほどの男声のアナウンスが聞こえる。 『これでのぞきサービスは終了となります。 この後延長をご希望なら一度受付にお戻り下さい』 延長コースとは、先ほどまでミラー越しに居た女が実際に接客してくれる事。 客はここでハンドサービスを受けられる。 着衣、下着姿、全裸と3つコースがあり、客は希望に応じて注文できる。 時間に追われるビジネスマンは覗きだけで帰る事も少なくないそうだが、 俺は綾乃に興味を持った。 一度受付に戻り、延長の全裸コースを注文する。 準備の時間を経て、俺はまた別室に呼ばれた。 黄色いドアをノックすると、可愛い声で返事があった。 ドアを開けると、3畳足らずの手狭で小さな部屋に綾乃が居た。 「こんばんわ。延長してくれてありがとう」 綾乃はそういうと立ち上がり、早速俺の上着を脱がせてハンガーに掛けた。 「凄く綺麗な身体だね・・・見惚れちゃったよ」 「お上手ね、ありがとう」 「そんなぁ、お世辞じゃないよ」 「ここら辺は営業の人が多いから、みんな口が上手よね」 他愛も無い会話を続ける。 柔らかい声と口調が印象的だ。 「じゃ全部脱いでね・・・」 <以下次号> |
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