<お年寄り調査>高い死亡リスク 夫のいる女性、妻のいない男性
女性にとって一番の“危険因子”は配偶者――愛媛大医学部の藤本弘一郎助手(公衆衛生学)らのグループは、地域のお年寄りの死亡関連要因をまとめ、先月さいたま市で開かれた日本公衆衛生学会で発表した。
調査は、松山市に近い宅地化の進む農村地区で行った。地区に住む60〜84歳の全員4545人のうち、寝たきりや脳卒中、心臓病、がん、骨折経験者を除く3136人(男1326人、女1810人)を96年から約4年半追跡。亡くなった210人(男111人、女99人)の健康や生活、趣向などを分析、死亡につながるハイリスク因子を探った。
その結果、高齢やADL(日常生活動作能力)の低下は、男女とも死亡につながる高い因子だった。さらに男性では「配偶者がいない」「糖尿病で治療」「たばこを吸う」「過去1年に入院」「過去1年に健診を受けていない」などがリスクに挙げられた。しかし女性では「配偶者がいる」がただ一つのリスクだった。
このうち配偶者だけをみると、男性では「妻がいない」ために死亡につながるリスクは、「いる」に比べ1.79倍も高かった。
一方、「夫がいる」女性のリスクは「いない人」に比べ55%も高く、女性にとって配偶者は“重い存在”であることを示した。
死亡と夫婦の関連について、藤本助手は「外国でも、未婚男性は既婚男性より死亡リスクが高いとの研究はある」と前置きし、「いま日本のお年寄り家庭では、女性が男性の世話を担う面が強いと思うが、今回のデータは、頼りにしていた妻を失って男性が健康などを崩すといった姿を示しているようだ。依存ではなく、頼り合える夫婦関係を築くことが大切」と話している。(毎日新聞)
やはり、男はダメな生き物だ。自分の衰えを正面から捉えようとはしない。女性の閉経のような劇的な変化が身体にないということも原因の一つかもしれない。
男性が年上の年齢差のある夫婦だと、夫を看取ってから・・・などと考えるかもしれないが、年齢差がなかったり女性が年上の場合、「離婚は、女性の長寿の秘訣」などと歪曲されてこの報道が広まるかもしれない。
熟年離婚の増えている現代、このままいくと、ますます元気な高齢女性が増えることだろう。
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