2005年11月07日(月)
やっと、自分から終わりにすることができたよ。
今日の夕方、Nくんにメールした。 「そろそろ借りてるもの返さなきゃって思うんだけど・・・」 そしたら、今夜バイトに行く途中に取りに来るって返事がきた。 急だなとは思ったけど、今更時間は関係ないし、そうしてもらうことに。
うちの前の公園で待ち合わせて。 お互い、やっぱそれなりに気まずかったらしくってなかなか積極的に相手を探さなかったりして声も掛け辛かったんだけど。
Nくんのバイクが停めてあるとこまで行って、物々交換して。 苦笑交じりで軽口叩いてみたりもして。
それで、勇気出して。 このままバイト先に行こうとしてるNくんの腕を掴んで、「お店まで一緒に乗せてって」ってお願いしてみた。 (S村くんに借りてるマンガを返しに行くっていう口実でね) そしたら、大して躊躇せずにメットを渡してくれたNくん。 ああ、バイクなんて本当久しぶり、とか思いつつ、一応気を使ってなるべく彼には掴まらないようにして後ろに乗り込んだ。
お店まではほんの5分くらいだから、無言でもそんなに気まずくなかったんだけど。 「仔犬くんがやめちゃうって知ってた?」なぁんて、タイムリーかつ当たり障りのない話を振ってみた。 (そうです、昨日の日記に出てきた「会えなくなっちゃう彼」とは仔犬くんのことです)
あっという間に着いて、特に何事もなく降りて。 あたしを置いてさっさと早歩きでお店に入ってくNくんの背中をぼんやりと眺めて。 もう、Nくんはなんとも思ってないんだろうなって改めて感じた。
こうやって、ようやく片付ける気になったのはね。 仔犬くんに、言われたからなんだけど。 先週の日曜日、みんなで遊んだ後送ってくれて。 最近恋してるの?みたいなことを訊かれて。 正直に、前付き合ってたひとのこと、まだ完全に整理がついてないって応えたら。
「でも、その人はもう整理がついちゃってるんじゃないの?」 って。 ものすごくバッサリと言われて(笑)、それがまた仔犬くんらしいとこなんだけど。 その言葉に救われたというか、背中を押してもらった感じ。 なにかが昇華されてくのが自分で分かった。 だから、仔犬くんにはすごくカンシャしてるんだ。
でもってなんだかよくわかんないけど「新しい恋に行きなよ」っていうのをやたら強調してた彼ですが(笑)。
バイト先には、S村くんの他にもI井さんとかE籐さんとかO形さんとかN嶋くんとか、色々いて、Nくんとふたりきりっていうことにはならなかったんだけど。 バイクを降りてしばらくは、まだ独特の切なさが残ってた。 だから、あたしはあえてひとりで暖かいカフェラテを抱えて飲んでた。
少し落ち着いたら、みんなと普通に話して。 (そして、仔犬くんはやっぱりいなくならないっていう情報を聞いたりして。なんだよさみしくなって損した〜!) くだらないことばっか言って明るく振る舞って。 でも、背中ではまだNくんを意識してた。
きみは知らないよね。 あたしが、Nくんがいるときに色んなひとと仲良くしたり、無駄にふざけてたりするのは、きみの存在を意識してたからだってこと。 あれは全部本当は空元気なんだよ。 ただ、きみの前でうじうじと未練たらしくしてたくないし、被害者ヅラしたくないし、引きずってるなんて思われるのがくやしかったからなんだ。
でもそれももう今日で終わり。
Nくんのバイクに乗せてもらうのも今日で最後。 白のマジェスティを見つけるたびに振り向いてしまうのも今日で最後。 まだ終わってないフリして中途半端な気持ちでいるのも今日で最後。
Nくんのことで泣くのも今日で最後、だから。
帰る直前、隅っこのシンクにひとりでいたNくんに。 やっと言えたよ。
「ごめんね」
きみは「こっちこそ・・・」なんて大して感情のこもってないような、冷めた声で答えてたような気がするけど。 それでもいいんだ。
「ごめんね」 2度目で、ちゃんと伝わったかな。 自己満足なんだろうけど、それでも構わない。
だってそれでようやく、すっきりすることができたんだ。
Nくんがとっくに整理つけてるのはなんとなく分かってた。 どういう風にしたのかは知らないし、どのくらいかかったのかも分からない。 それに、彼が今あたしについてどう思ってるのかは全く知らないし。
結局、何も言ってくれなかったから。 今日だって、Nくんからの言葉はほとんどなかったから。 でも、それがNくんってひとなんだって思うから。 あたしはもう、何も言わないよ。 Nくんはそういうひとで、でもあたしは今もNくんのこと嫌いじゃない。 それだけ分かってるから、もう十分。
今回も、またクリスの歌に助けられてしまった。 自分の部屋でひとりになってアタリスを聴きながら、何ヵ月かぶりにNくんの部屋から帰ってきた抱きまくらを抱きしめたら、まだちょっと彼のにおいがした。
あたしは本当に馬鹿だから、こんな単純な言葉でしか言えないけど。
なっち、ごめんね。
そして、本当に、ありがとう。
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