先週の日曜日、大阪に行ってきた。 元々は、今年の5月に仕事で大阪に1週間位滞在するので、その下見の ために行ったんだけど、ついでにどこか1ヶ所くらい観光に行こうと 思い、そういえば東大阪市にある司馬遼太郎の自宅が記念館になって いるんだっけ、という事を思い出したのだ。
ということで近鉄に乗り、東大阪まで。
駅から記念館に向かう道の途中に、菜の花が並んでいることに気がつく 司馬遼太郎が亡くなった日が1996年の2月12日で、その日を菜の花忌と 呼んでいることにちなみ、近所の人たちが家の前に置いているらしく。
司馬遼太郎が近所の人たちに慕われていたんだなあ、とこの時期にこの 風景を見られただけでも来た甲斐があったかも。
司馬遼太郎記念館は、自宅と、その隣に作られた記念館の建物から なる。 記念館には、司馬遼太郎が遺した蔵書の一部と、氏の著作が展示されて いるんだけど、壁一面、高い天井に至るまで本で埋め尽くされているの は、圧巻なのだ。しかも、ここに展示されているのはほんの一部だと いうから驚かされる。
でも、こういう光景って、本好きの人間にしてみると、うらやましい、 の一言につきる。
もう一つは、この記念館って、司馬遼太郎の脳へのインプット(蔵書)と アウトプット(著作)という、脳の活動の象徴みたいな場所なんだなあ、 と思ったのだ。
かといって、この蔵書全部を持っていたって、誰でも司馬遼太郎に なれる訳じゃく。 逆にいえば、それだけこれだけ人の心を動かした作品を作り出すことの できた司馬遼太郎という作家のかけがえのなさ、みたいなものを感じた のである。
自宅部分では、庭先から司馬遼太郎が執筆活動を行なっていた、書斎の 風景を眺めることが出来て。
彼が腹部大動脈瘤破裂という病気に倒れる直前まで執筆を続けていた その時のままに保存してあるらしい。
その書斎の中での司馬遼太郎の息づかいといったものが感じられた気が して、少し勇気をもらった気がしました。
|