蛇腹食堂
書人*なび太

   

  




飲めません
2004年02月20日(金)
面接の時に、
たまにお茶を出してくれる会社があるのだが、
(まだ面接受けてんのかよ…とか言わんといてくれ)、
アレ、飲むタイミングが全然掴めない。

「絶対何かの作戦だ…。
 コチラのボロを引き出そうという罠に違いない。
 ククク、貴殿の考えはお見通しですぞ…」

面接は戦いであるからして、
面接官はそこかしこにトラップをしかけてくる。
いや、確証はないけど、そうに違いない。
だから、「お茶」一つにしても油断は禁物である。

しかし、面接官は百戦錬磨の兵であるからして、
こちらが「お茶は飲まない作戦」を展開しても、
「あ、どうぞ。飲んでください」
の一言でコチラの作戦を木っ端微塵にしてくれる。
勧められて飲まないのはさすがに気が引ける。
据え膳喰わぬは武士の情け。
また何かを間違えてる気がするが、
とりあえず紙コップを取り、お茶をすす…

「ところで、失礼ですが、
 大学を辞められた理由をお聞きしてもよろしいですか?」
「…ッ!ええ…、ああ、ええとですねぇ…」

モロに策略にかかってしまった。
敵ながらアッパレ。
もう「思う壺」である。
用意してきた解答など3万光年の彼方に消え去り、
頭の中では高見盛がコサックダンスを舞い踊る。
しどろもどろも良いところだ。
「ブーッ!ゲへガハァッ!!」と、
面接官にお茶の雨を吹きかけなかっただけ、
まだマシなのかもしれない。

こんな具合でいつも飲むタイミングが掴めない。
飲もうとして、話しかけられる。
飲もうとして、話しかけられる。
飲むの諦めたら、勧められる。
その姿、
まるで洪水の如く車が行き交う大通りにかかる横断歩道で、
オドオドと左右を窺うパグ犬の如しである。

次お茶出されたら、
熱かろうが、ぬるかろうが、
一気に飲み干して男気見してやろうかしらん。




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