2002年10月04日(金) |
「星ぼしの荒野から」ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア著 1999年早川書房 |
かなーり長いブランクとなってしまいました。 ええ、色々ありまして・・・。 かなりめげてますが、とりあえず夏バテからは解放に向かっているようで、撮影にも日記にも復活していきたいなぁと考えております。
ティプトリーの第四段短編集だそうです。 やはり「愛はさだめ、さだめは死」が最高峰になるんですかね。 でも、さすがにキャリアを積んで後のこの作品集は、エンターテイメントとしてもそれなりに楽しめます。
何点か個別に。
『ラセンウジバエ解決法』 すこーしだけ手法的には古い気もしますが、ティプトリーの手にかかると実にソリッドなSFになってしまいますね。「冷たい方程式」を彷彿とさせてくれる科学的な冷徹さに、フェミの要素もちらりと垣間見せるそのストーリーテリングはお見事の一言。
『スロー・ミュージック』 ティプトリーの作品の中で、私が最も好きな作品。 んー、やはりロードムービーにはどうしても甘いのかもしれません。 いや、むしろ現実逃避なのかも。 ああ、この世界に住みたい!!(叉かよ・・・)
『たおやかな狂える手に』 映画シザーハンズの鑑賞後の気持ちと、この短編の読後感は同じです。 とてもとても哀しい物語。 そして、この物語を哀しいと感じることは、愚かしい「傲り」でしかないと感じる今日この頃です。 「日常」の中で暮らすあなた、一読あれ。
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