ディリー?闇鍋アラカルト
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2005年07月22日(金) 夢と世界

これを読む前に19日に書いた「夢に殺される!」を読んで貰いたい。
僕は夢使いの民セノイ族の話しをして、夢の活用の仕方をガイドする事がある。
かなり多くの人が夢で不安な体験をしている。
例えば、「誰かに追いかけられている。逃げても逃げても追いかけてくる。時々すぐ傍にまで来て、危害を加えられるんじゃないかと思い、汗びっしょりになって目覚める。」
僕はその人に言う「その追いかけている人の方を振り向いた事はなかったの?」
「そんな事考えた事もなかったよ。恐ろしくって・・・」
「それじゃあ、誰が何のために追いかけて来ているのかも分からないで怖がってるんだね。忘れ物を届けようとして追いかけているのかも知れないよ。今度夢で追いかけられたら振り向いてみようよ。」
「怖くって振り向けないよ。」
「だって、本当に恐ろしい存在なのかどうかも分からないのに怖がるってのもおかしい話だと思わない?それに、どんなに頑張って逃げても追いかけて来るんだろう。だったら、覚悟を決めて振り向いてみたら?」
「振り向いてみて、本当に恐ろしい存在だったら、どうする?」
「そういう場合も有るだろうね。でも、実際にその存在と対決しなくては相手の強さも弱さも分からないんじゃないの?こけおどしでびびらせているのかも知れないよ。何しろ、夢の世界なんだからさあ。龍のように強そうでとても敵わないと思ったものが、実は狸が化けてたりしてね!」
「そんな事って有り得るの?」
「さあねえ。夢の世界だからねえ。でも、夢の世界で怪物が襲って来たとしてもまず死んだりする事は無いよ。僕は乗っているバスがコンクリートブロックに突っ込んで行く夢を見た事があるけど、そのバスがぶつかった瞬間場面が切り替わったんだね。何しろ夢なんだからさあ。僕はその夢の中で、バスの中で覚悟を決めて、どのように成るかを見届けようとした。どうせ逃れられない夢の中バスの中で有るなら、その中で自分に出来るどのような事が有るだろう?と覚悟を決める方がパニックを起こしてるよりもいいと思うんだよ。」
「そういう風に思えるものだろうか?」
「さあ、あなた次第だと思うよ。あなたが逃げる事ばかりやっているようじゃそうならないよね。でも、覚悟を決めて振り向こうと決意して、足を止めたら、それだけで今までとは違う気持ちを夢の中で持てたという事だよね。だから、当然今までとは違う展開に変わって行くのさ。忘れ物を届けてくれてる人が追いかけているのかも知れないし、怪物かも知れない。怪物と対決しなくてはならなくなったとしても、そこは夢の中だ。足を止めた時から、あなたの積極的な意思が夢の中にまで力を及ぼすのさ。だから怪物を打ち倒す事も助力を求める事も、また、仲良くなる事も可能なんだよ。」

夢の中で逃げてばかりいる時、自分は無力な被害者であるという思い込みの中にいる。何か出来るなどと思っていない。それはその人の世界に対する態度の反映でもある。それでいて、不安を抱えている。「これでいいのだろうか」という思いが心の片隅に有る。だから、それが夢の中で形になる。
世界を相手に逃げている時に、世界がそれを夢として体験させる事で問い掛けているのだとも言えないだろうか?


いなっち |MAILHomePage

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