２月になった
シドニーに住む娘から　手編みの靴下が届いた
きれいな　藤むらさきや赤紫　白のミックスされた糸の
暖かそうな靴下・・・
私への誕生日プレゼント

住んでいるアパートの付近の絵の描かれたカードとともに・・
ベイエリアらしい

編み目がきれいにそろっている
かかともきちんとしているし、
履き口のゴム編もととのっている
手にとってしみじみ眺め　夕焼けの空のような色目の
靴下をそっと なでてみる
ふいに　娘の笑顔が思い出されて
思わず涙ぐみそうになる
成田への高速バス乗り場で　いつも、バス待ちの時間に
娘の笑顔の写真を撮った・・・
昨年も　いつものままの屈託のない笑顔を
見せていた
それらの年毎の笑顔はそのまま目の奥にある


むこうで、ミシンを買って　’ワンピースを縫ったよ’
というメールも届いた
それはそれで、よかったね・・と思う母ではあるが
‘日本には帰るつもりはないよ‘と　昨年　娘は言い、
私は　もはや夜も昼もあけぬほどの 悲しみに襲われた

一年がたってみれば　また以前より進んだ あきらめの混じった
心持を覚えている


おだやかな日々を送っているらしい
それだけが　私に安堵を与えてくれた


今年は　シドニーに行こうかとも思った・・