亘理の普通の日記
亘理



 火原っちvs土浦くんss1 《タイトルは未定》

今日から時々ssをupしていきます。
しかしタイトルは未定・・・(苦笑)
だってまだEDを決めてないんだもん(^^;
気が向いたときに読みにきてくださると嬉しいですv

↓↓↓↓↓ 第1回 ↓↓↓↓↓

「あ、やっぱ香穂ちゃんまだ着てないや〜♪」

俺は毎日この学校までの緩い上り坂を彼女と登校している。
いつもの朝だったらこの交差点の脇の植え込みにもたれるようにして俺のかわいい彼女・・・日野香穂子という・・・が待っていてくれて、俺が駅から歩いて来るのが見えたらにっこり微笑んで手を振ってくれる。
それがまたかわいくて・・・って思い出しただけで顔が緩んじゃうくらいだ。

でも今日はちょっと早く起きたのでいつもより早い電車に乗ったのだ。
案の定、俺に手を振ってくれるはずの香穂ちゃんはまだ着ていない。
(ふふ・・・今日は俺が香穂ちゃんに手を振ってあげよう。きっと早く着た俺にびっくりしちゃうよね)
植え込みに腰掛けてそんなことを考えつつ待つことにした。

「あれ、火原先輩」
と、背後から聞き覚えのある声が俺を呼んだ。
振り返るとサッカー部のエース、土浦が驚いたように俺を見ていた。
「よう、おはよ土浦。なに?土浦もこの通学路なんだ?」
そう尋ねると、はい、と軽く答えて土浦が苦笑する。
「え?なに笑ってるの?俺、なんか変??」
「あ、いえ、すみません。いつもだったらそこに日野が立っていて先輩を待っているものですから。ちょっとギャップが・・・」
「ギャップってなんだよ〜。どうせかわいくない野郎で悪かったな」
「先輩こそ、俺が日野じゃなくてがっかりしたでしょう?」
そんな軽口を叩いてくる土浦を俺は気に入っている。
土浦とはもともと友達の部活の後輩ということで顔見知りではあったけど、あのコンクール以来、なんていうのかな、戦友?ちょっと違うけど、そんなお互いの気心がしれている感じがして悪くない。

しばらくそのまま土浦と友達の話やサッカーの話などしていると、今度こそ香穂ちゃんが夏服のスカートの裾を気にしながら小走りに駆け寄ってくるのが見えた。
俺は思いっきり手を振ってやる。
うん、こういうのもいいな。
やっぱ時々は早起きして俺が香穂ちゃんを待ってあげようっと。

「先輩、今日は早かったんですね」
俺たちの元に辿り着いた香穂ちゃんはすぅっと息を整えてぱっと笑顔になる。
「おはようございます、和樹先輩。土浦くんも」
「おはよー香穂ちゃん。たまにはこういうのも悪くないでしょ」
「うん。和樹先輩が手を振って待っててくれるの、嬉しかったです!」
うわわ〜、かわいい!俺ってこんな彼女がいて幸せ者だよなぁv
なんてすっかりでれでれしてしまった俺の後ろから、笑うのを堪えた土浦が香穂ちゃんに声を掛けた。
(やっば〜、土浦のこと忘れてたよ、呆れられたかな??)

「おはよう、日野。今日のお前の運勢、悪かったじゃないか」
「あ、そういう土浦くんも1つしか順位違わなかったでしょ。お互い今日は慎重にいこうね」

「ん?なんの話??」
聞き覚えのない話題に疑問を覚えて香穂ちゃんに尋ねてみる。
「あぁ、それはですね・・・」
笑顔で答えようとした香穂ちゃんを遮って、土浦が口を挟んできた。
「火原先輩には内緒の話です。
それじゃ、そろそろ俺は行きますね。日野、また学校でな」
いたずらっぽく笑うと、土浦はさっさと学校へ行ってしまった。

えぇ〜っ何今の?!
俺には言えないことなの??!!

ちょっとパニックになった俺に申し訳なさそうに、立ち去ってしまった土浦に怒ったような口調で香穂ちゃんが説明する。
「えっと、毎朝先輩を待っている間に土浦くんと会うものだからTVで流れる今日の運勢を話すようになったんです。土浦くんも毎朝見てるっていうし・・・
それで今日は土浦くんと私の星座が6位と7位だったのであんな会話を」

あ、そうなんだ。よかった〜そんな話で。
でもちょっと待てよ・・・
毎朝、俺が来る前に土浦は香穂ちゃんと会って話をしてたんだ。
なんかそれって・・・

「ちょっと複雑。俺が来る前に土浦は香穂ちゃんを独り占めしてたんだ」
「やだ、そんなんじゃないですよ!それに今日の運勢のことなら私、きちんと先輩にも毎朝伝えてましたよ?」
「え、そうだっけ??」
そんなこと話した心当たりがないんだけど・・・
「はい。校門のところで別れ際に、今日はいいことありますよ、とか、忘れ物に注意してくださいね、とか」
「あぁ、あれって今日の運勢を見てアドバイスしてくれてたんだ!」
「そうなんでーす!ちなみに今日の先輩は『人間関係に注意』ですよ。柚木先輩と喧嘩したりしないようにしてくださいねっ」
香穂ちゃんはくすくすと笑いながらするりと俺の前を通り過ぎると
「先輩、急がないと遅刻しちゃう!お先に行っちゃいますよ〜?」
そう言って学校へ向かって歩き出していた。
「あ、ちょっと待ってよ、一緒に行くってば〜」
慌てて俺も歩き出す。

・・・でもなんか心がすっきりしない。
このもやもや、なんなんだろ?・・・

↑↑↑↑↑ To be continued ↑↑↑↑↑

2004年07月27日(火)
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