浪漫のカケラもありゃしねえっ!
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2003年10月12日(日) 汗まみれの帰宅/F1日本GP決勝

仕事帰り、....ふだんの列車で帰るのをあきらめると、午前様の夜行しか帰り着く手段はなくなる。それに乗って帰宅することを決め、友達の仕事先まで徒歩で約1時間。雨がくるという天気予報。暑くムシムシして、上着まで汗にまみれる夕暮れ。
暗い夜道を歩きながら雲のかかる月を眺め、この同じ月を今頃スズカの空に見てしているだろう人達に思いを馳せた。この空の下、あなたは今なにを思って、月を見つめているのか。
明日も仕事だという友人。地上波GP放映時間までドライブつきあわせるというワガママぶりを発動し、しっかりとGPをこの目に焼きつけてからから帰宅の道へ。またもや徒歩1時間あまりの道のり。タイムはぎりぎり、余裕は残されていない。それでも、ラストシーンまでしっかりと見つめたいと願ってしまう、この心をなんとにしよう。帰宅して早くニュースを見つめたい、プレカンを全文読みたいという、この思いをなんとしよう。
夜行を乗り逃がすと、夜明けまで列車はない。少しでもでもタイムを縮めなければ。ペースを早めるうちに、汗はダラダラと流れ続ける。急ぐあまりの脇腹の痛み。視界が効かぬ夜道、高低差や段差のある悪路に、足は痛み、息は上がる。あろうことか、激しくさし込む腹部の痛みに、ペースを乱される。
痛みの鎮まりを願いながら、ふたたび歩み始める。急がなければならない。残された時間は、あまりに短い。ステーションの階段を駆け上がる時間がなければ、夜明けまでの遠い道のりに、戸惑い泣くことになるのだ。
汗に濡れ風になぶられて、肌にはりつく髪。ねばりつく衣服。次々と、遅いくる痛み。歩みを止めるな。1秒でも削るんだ。今夜の眠りのために、さわやかな明日の目覚めのために。温かなお風呂と、炊飯器の中のご飯が、おまえを待っている。

↑というわけで、ワシの状態を架空GP風に描くとこんなことになるんだなー、と思いながらたどった昨夜の家路なのだった。(笑)
へい、夜行には発車5分前に間に合いました。地元の駅に着いたら、いきなり雨降って、また大汗かいたけどさ。トラブルに巻き込まれながらタイムを削るって、ホンマしんどいっす。(^^;)
お腹はねー、帰宅してお風呂にはいるまで持ちこたえたけど、東京発新幹線コダマ号だったのよ。←ときどきノンビリと停車しながらひたすらクダル。まだお腹イタイっす。コダマ号から地元ローカル線くらいには治まりましたが、冷えるとヤバイので外出不能状態。はははははは。(泣笑)
おかげさんで、せっかく起きていたのに、IRLもCARTもレースチェックできんかったですわい。

IRLの日本語インターネットラジオ実験も、今朝にあって初めて知ったわよ。(号泣)
まあ、来季を楽しみにしてみましょう。ってもいっても、どなたさんが実況解説するかによりますわな。
悔しいんで朝っぱらからニュースサイト巡回しちゃったわよ。
そして、ジル、最後のレースを勝利で飾る。ケニー・ブラックがクラッシュでヘリ搬送されたって。....意識はあるそうなんですが。
ジルのQ&Aがあったよ〜、ビオロンさん。
こういう引退の仕方、こういう幕の引き方もあるんだ。それはファンにとって、喜びと寂しさがともに襲いくるような体験なのかもしれないけれど。思い出は、永遠に輝くんだ。
CARTの方では、トレイシーが頑張ってくれてます。いつまでもトレイシーらしい豪快クンでいてちょうだいよー。セバスチャンも元気に育ってるようです。これからもイキのいいドライバーが参戦し続けてくれるといいんだけど。

さて、CART/インディの卒業生、ジャックは今どこにいるのか不明というニュースなどもあり、ルノーやジャガーに行くんじゃないかなど、噂はあいかわらず。ところで、ジャック説得に最後までつとめたエンジニアのジョック・クリア。ジャックのセッティングはクセがあって、彼でしかつとまらないという話もありますが、どうするのでしょうねえ。ジャックの行き先に引き抜かれていくことになるんだろうか??
もひとりのCART/インディの卒業生、モントーヤもスズカ前にゲームしてたらしい。
よく新人ドライバーがゲームでサーキットを覚えるなんて話がありますが、ゲーム下手はミハエルだけなんだろうか?けんさわさんちのサーキット便りでもルーベンスにゲーム負けてたと書いてあったですじょ。(笑)


F1日本GP決勝。こんなにハラハラさせる最終戦、ひさしぶりでしたなあ。
マラネロのティフォシも心臓バクバクだったに違いない。
社長はやはりタイトルが決まりそうな一戦には留守番が恒例になってるようで。決勝ジンクス、いつかクリアできるんでしょうか?(笑)

スズカに行かれたみなさまも、今日はもうおうちに帰っていらっっしゃっているでしょうか。
雨降りや疲れで風邪などひかれませんでしたかしら。(私、雨ごいしちゃった。ゴメンね(^^;))
ジャックのかわりに琢磨君いきなりの参戦からはじまって、予選・レースと、あまりの事態に絶叫しはったお人も多かったのではないかしら。(^^;)
はい、私も何度も「あんぎゃー!」だの「しょえー!」だの「うぎゃぎゃぎゃぎゃー!」だの叫ばせていただきました。
モンちゃんやキミちゃんとの直接対決できなかったし。応援優先順位でどうやら「ウチの子」認定されてるドイツ人達にとっちゃー、踏んだり蹴ったりのレースでしたもの。
それにしても、まかり間違えばタイトルの命運をかえちゃったかもしれない琢磨君、踏んでたのに気がつかなかったって。ミハエルがその答えにどんな顔したのか、見てみたかったような。(^^;)
地上波じゃアクシデント映像が映ってなかったんだけど、知らないうちに踏まれていたのか....。兄ちゃん、赤いマシンがミラーに映るとみんないつオーバーテイク仕掛けられるか緊張すると思ってそうだからー。きっと琢磨君は「追い越し注意」リストに分類されたことでございましょう。

ミハエルがサンドイッチにされて、兄弟でえらいことになってしまったし。これだけは避けてくれー、と願っていたのに、悪い予感があたっちまったですよ。これって、あの霧雨?のせい? 雨ごいが逆方向に転んじゃいましたか? 
あんなに1ポイントのために苦しみ、あれほど消耗してるミハエルを見たのは、いったいいつ以来だったのか。
あの人は、いつでも自分の手で、タイトルを決めてきたんだった。成功するにしろ失敗するにしろ、いつもあの人は自分の手の中に運命を握ってた。それが今年は違ってた。はるか以前のレースの、まるで裏返しのように。
幸運を手にするためには、それがかいま見えたときにすぐチャンスを襲える位置に、自分を置かなければならない。幸運を自らのモノにするには、その位置に身を置くための多大な汗が必要なんだ。
ミハエル、キミ、モントーヤ、ラルフ....彼らの戦いぶりに、運がおよばず苦しんだ数戦に、それを思う今シーズン後半戦でありました。

地上波では、シャコーッとスクーターで突っ走ってきた勢いでこけちゃうかと思いましたが。(笑)
菅沼さん達に抱きついて、次は可愛い声で、「ハミィー♪」。ハミーの方がミハエルに飛びついたのには大笑いました。ハミー、飛びついてへばりつくには跳躍力がちょい足りなかったっすね。トッドは勢いつけて飛びつく練習してるんだろーか。(笑)
こんなところとかこんなところもちらっと映ってましたね。この勢いで酒盛りに突入してそうですな。
幸せな微笑み。柔らかな、笑顔。
いいんです。どのような勝ち取り方であろうと、彼が幸福を感じているのなら。仲間達とひとつの喜びをともにする満足を、存分に味わっているなら。

いつの頃から、F1ドライバーがF1パイロットと呼ばれていたのかはわかりません。
以前アポロ13号のミッションに関する本を読んでいたときに、アポロと、テレメトリーでつながれたNASAの管制室を、船の上甲板と下甲板に例えている表現がありました。
操舵手のいる上甲板。水深やノットを計り、星を計り、帆を広げ、船を保守し、目的に導いていくのに欠かせない、下甲板の多くの人々。
多くの人々の働く、巨大な船。ミッションを遂行するために、未知の速度の中に、危険の潜む場所を探りながら、舵を切っていくパイロット。
ひとつの大きな船。
岩礁がその船腹を傷つけるかもしれない。嵐は幾度も襲いくるかもしれない。風の強さにたえられず、帆を破ってしまうこともあるかもしれない。航海の剣呑さに、乗り組む者たちは疲れ切って去ることがあるかもしれない。
それでも、彼らは目指すのだ。荒海を越えて、素晴らしい約束の地に、至ることを。
いくつも張られた帆を使い、逆風を間切って進んでいくんだ。
素晴らしい航海を。また来季も。


2003年10月11日(土) F1日本GP予選

わたしゃ予選順位を報じたニュースを見て、喉がつまりました。(仕事帰りにむさぼり食ったアンパンがもっさりしてて喉のあたりに違和感がねー)
胸がしめつけられるような、この不安。(って今日身につけてるボディスーツが太ってきつくなってしめつけてるのにも気がついてるがよー)
....まあ、冗談はさておき、雨は幸運を運びもすりゃあ苦戦を強いることもあるわな。
ともかく、雨で順位が入り乱れちゃいましたから、決勝では気迫の抜きっぷりを見せて下さる人もたくさんあれよと祈るです。ねえ、ラルフ。頼むよ、おい。
ミハエル兄さん、中団に埋もれるスタートだー。早々にガッチャンコしちゃうのだけはかんべんしてくれよ。(^^;)
キミちゃんと直接対決バトル繰り広げてくれるのが、一番見たいですよ。
タイトル争ってきたキミちゃんとミハエル、モンちゃんやラルフ、アロンソ、トゥルーリまじえて、堂々とタイトルを戦いとってほしいけど。みんなで対決するにはグリッド離れすぎてるから、もうちょびっとばかり通り雨が必要だなー。ゴメンよ、スズカ組のみなさん。わたしゃ雨ごいするだよ。(笑)
素晴らしいバトルを切望。明日も仕事やけど、スズカに魂とばして祈りますわさ。

GP開催の週末になってから、毎日驚かされるニュースが続いております。
一昨日は眠くて爆睡したんで、昨日の朝にニュース見てひっくり返ったよ。琢磨参戦の噂を、ホントにしちゃったんですかい。>ジャック
脳裏にポロックとかペンスキーやフォーサイスも浮かんだけどさ。CARTの株価下がってたいへんなときだから、ほしがられてるのには違いないだろうが。
ちなみに『その日』は、今年やたらに「ミハエル引退?」なんつー噂でるわ、ハインツやらニックやらジャックやら来期どうなるかっつー不穏なニュースに触発されて書いたんですが。
「サヨナラもなく」いうのは、エディがシートを失ったときにアダム・クーパーが書いた記事の一節なのさ。
架空OPの方とは関係ないけど、「サヨナラもアリガトウもなく去った」っつーと、どのバンドだったかメンバーが脱退したときに残ったメンバーの言ったセリフ。
ニュースを目にしたとき「サヨナラもアリガトウも」言う気力を失わせる体験だったのか、ジャック。。。。と思ってしまったのだ。
求められない、切望されない。そいつは自分の仕事にプライドを持ってきた人には、つらいことだろう。
来期体制発表直後のジャックの反応、BARに、ホンダに、否応なく「これが君らの求めたことだろーが!」と突きつけるんやなーと感じてしまったのよ。
この事件で、ジャックや琢磨の印象が悪くなっちゃうかなあ。イメージというよけいなモノ背負わされそうで可哀想にもなるけど、これもF1、魑魅魍魎の世界なんだよな。
少々の悪評背負っても、それにへたるようなヤワな神経してちゃ、平凡に忘れ去られるくらいなら、サバイバルできはしない。
魑魅魍魎の世界では、悪評もまた誉め言葉のひとつなのだ。
それは、人を驚かせ、人の印象に忘れがたく食い込み、有利な位置を勝ち取るというひとつの目標のためには他人なんぞけちらしてしまえることを証明しているんだから。

フェラーリ社公認デジタルカメラ、大人気で抽選に
ファンの間で話題になっとりましたが、えらい勢いで予約入っちゃったんですね。日本では限定1000台だったから、抽選となったそうです。当たるといいですなあ。>予約なさったみなさま


2003年10月07日(火) 架空OP習作

『その日』

その日は、いつかやってくる。
予期することもできず、あまりにも唐突に。

まだ走れる。歯車がかみ合わなかっただけ。
彼は、まだ競争力を失ってはいない。
彼は、もっと力を発揮できるはずだ。

そう思っている最中に、真昼の雷雲のように襲いかかる。
サヨナラをいう間も、ありがとうをいう間もなく、
愛しいドライバー達は、去っていくかもしれない。

巨大な金の動くマーケットは、無情な世界。
リザルトをチームにもらたしても、
彼らはベスト・オブ・ベストは誰かと探し続ける。
経験をもってチームに批判を与えれば、
従順で新たなヒーローの登場を求める声があがる。

ある者は、まだ実績が、速さが足りないと。
ある者は、もう若くはないからと。
あるいは、シートを得るにはあまりに高価すぎると。
噂はさらなる噂を呼び、不安は胸に渦巻く。

若さはミスを呼び、F1サーカスはその習熟を待ちはしない。
成長と成熟の頂。経験がミスをカバーすることができる頃には、
さらに若く安いドライバー達とのシート争いが待っている。
かつて彼らも、そうやってシートを、チャンスを得てきたのだ。

私たちにできるのは、ただ祈ること。
ただ見守っていくこと。
彼らが彼ら自身の価値を証明し、
その手にするにふさわしい場所を掴み取っていくことを。

ああ、時は流れる。
刻みゆくタイム。
どの1周回も、かつてたどった周回と同じではあり得ない。
彼らのたどるであろう、幾万、幾十万の周回のどれひとつとして。

同じ時代に生まれ、出会えた喜び。
その成長を見つめ、その不運に嘆き、
その成熟を祈り、もぎ取ったリザルトに歓喜した。
見つめ、見守り、慈しみ続けた。
大切な思い出をくれた人。
愛しい、愛しい人。

この目に焼きつけておくんだ。
同じ時を歩み、苦しみや喜びをともにした人の。
その走り、その姿、その生き様。
けっして後悔などせぬように。
記憶の中に焼きつけて、いつでもこの手に抱きしめておけるように。

幾千の旗が打ち振られ、歓声がサーキットを包む。
その歓声にこたえるように、エンジンが高まる。
轟音が、目の前を駆け去っていく。
愛しいドライバー達の走りが、その血を熱くする。

その日。
いつかはやってくる、その日。
愛しい、愛しい人。

サヨナラは言わない。
また、いつか。
きっと、どこかで。
出会える日が来ると、信じていたいから。


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『雨』

低くたれ込める雲。
風は冷たく、路面の温度は上がらない。

タイヤのグリップはどうか。
セッティングのバランスは、どうするか。
ピット戦略は、どうするのか。
雨になるか、それとも晴れ間が続くのか。
データを睨みながら、下された決定。
ダイスはすでに投げられた。

雲が空を横切り、駆け去っていく。
かわりつつある天候。
人々の思惑を、あざ笑うかのように。

バイザーを、雨粒が濡らす。
雨は激しくなるのか。
濡れているのは、コースの一部なのか。
コントロールできる範囲内なのか。
決断を下さねばならない時間は、あまりに短い。
リスクは大きい。失敗は許されない。

ピットに映し出される画面には、コース全体の濡れ具合はわからない。
ドライバーの刻むタイムをたよりに、その変化をとらえているのだ。
彼らは、その目で雨を、路面の状態を見極め、
その全身でマシンの挙動の乱れを感じ、修正していく。
無線で状況を知らせ、ピットが混乱しないことを祈る。
ライバルとの差に、互いのマシンの状況を知る。

濡れた路面は混乱を生み、
乾きかけたレコードラインがさらなる迷いを呼び起こす。
多くのミスと混乱。
起こってしまったミスを補い、この状況を自らのチャンスにかえねばならない。
タイム差は、アドバンテージは、どうか。

テストコースに大量の水を撒き、開発してきたタイヤ。
どれほどの雨量で、どれほど挙動がかわるのか。
どれほど路面が乾けば、タイヤが限界に達するのか。
どの段階でタイヤを替えるべきなのか。
膨大な時間をかけたテストは、すべてこの一瞬のためなのだ。

コントロールできるぎりぎりまで、あなたはアクセルを踏み込む。
マシンが唸りをあげる。
幾年ものつらい戦い。勝機は常に雨の中にあった。
チャンスを逃すな。勝利の女神は、瞬く間に通り過ぎるのだから。

水煙を上げ、ライバル達を追い、バンクを駆け上がっていく。
追い、追い上げ、追いつめて行く。
1ポイントでも多く、タイトルのためにもぎ取らねばならない。

雨の中に輝く、赤いマシン。
年若い挑戦者達よ。
そう、これこそが、幾多の闘いで、
雲を呼び、雨のただなかに勝機を掴んできた男の姿。
変化し続ける路面を感じとり、
何度となく、逆転の好期を見出してきた男。
水煙の中、水滴と泥ににじむバイザーに、
紅のマシンは、ひときわその色を輝かせる。

レインマイスター。
赤い皇帝。
その伝説は、まだ終わりを告げはしない。

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エディのいないスズカ、エディのいないロッポンギを思って、寂寥の感に打ちふるえる今日このごろ。(泣)
移籍、引退という言葉が心にしみる季節です。おかげで今回の架空OPは、トーンが暗くなっちゃったねー。(^^;)
いや、ホンマ、後悔などしないように、思いっきり観戦を楽しみに行って下さいましよ。>スズカ行きのみなさま


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