日々のあわ
あかり 



 無頓着

これって自分の短所でもあり長所でもあると思っている。

さて。そんな私の呆れちゃうお話。
JGの実家は我が家からさほど離れていない場所にある。
父が検査入院しているので、母が一人になってしまうからうちに泊まればいいよ、って
話になり、母が今晩我が家で寝ている。
お布団を敷いていてふと気づいた。

「あれ?なんか毛布が一枚ない・・・」

しばし考える。
うちはダブルベットでいつも羽毛布団の下に毛布をかけて寝ている。いや、寝ていた。
そういえばここ最近、毛布がないよね?(全く気づいていなかった)
え?ど、どこにいったの?あんな大きいものがなんでなくなるの?


そういえばここ最近、掛け布団が一枚ないよね?(全く気づいていなかった)
え?ど、どこにいったの?あんな大きいものがなんでなくなるの?
っていうか、なんで気づかなかったの?(夫同様・笑)

「そういえば無いねぇ」

ってそんなレベルである。不思議だ。干していて飛んでった?
(いや、そんなはずはない)
どっかにしまった?
(いや、そんなはずはない)

母がどんな布団だったの?って聞くので、こんな色でこんな模様でと説明する。

と、母が
「あら。私いま家でそれ掛けて寝てるわ・・・こんなのあったかしら?って思ったのよね」

えーーー?なんで?なんでお母さんの家にうちの毛布が????

二人でしばし考える・・・・・・

「そういえば、だいぶ前にKちゃんが汚しちゃったから洗濯しようってときに、
私がうちの洗濯機のほうが大きいから洗ってきてあげるわよ〜って言ったんだわ」
と母。
「あ!そうそうそう!そうだったねーやだわ〜」
いったいいつの話だよと自分でつっこむ私。
(二人で大爆笑)

一家そろって「無頓着」である。
おまけに姑と私はもちろん血のつながりはない。なのに、そろっておとぼけさんである。
こんなことでゲラゲラしばらく笑い続けていられるのも幸せだなぁと思ったり呆れたり。
そんなこんなで夜は更ける。






2004年12月19日(日)



 刹那

朝起きたら涙が出ていた。

大好きだった祖父母の家が夢に出てきた。
私は吉祥寺にあったこの家で3歳の頃しばらく母方の祖父母と暮らした。

この家は「昔の家」なのだけれど、モダンだった。シャンデリア付きの応接間があって
ドアノブは真鍮だった。祖父はここでいつもいつもクラシックレコードを聴いて過ごしていた。

洗面台はタイル張りで大きく角ばっており、祖父が「ご不浄」と呼んだトイレはきちんと男女べつに分かれていた。

その家の、私が好きだった場所をただひたすら写真に撮る私。
今はもう取り壊されて別の家が建ち見知らぬ人が住んでいて、当時は写真など撮って残しておく知恵もなかったのだけど、
夢では「もうすぐなくなっちゃうから写真に撮っておこう」とタイルやらドアノブやら柱やらを一人で撮っている夢。

普通の「おばあちゃん」という存在よりもずっと母親に近い存在だった、敬愛する祖母も夢に出てくることなく、たった一人で私は写真を撮っている。

起きたら涙が出ていた。

夢診断するのも怖い感じの夢。どうしたんだろうか。

職場で友人Tに会ったら彼女が
「椿ちゃん、お母さんに似てきたね〜。でもっておばあちゃんにもそっくりね。」
と言った。
夢をまた思い出した。

もう二度と会えない人、もう二度と行かれない場所、もう二度と・・・。
私の心の奥底に、しーんといつも居座っている気持ち。
淡い思い出というよりも刹那的な時間が強烈に残っている。そんな感じだ。


2004年12月08日(水)
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