アイイチ。
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のんびりとDVD観賞。 きみは少し、お疲れ気味。
機嫌がいいのか悪いのか、 ビクビクと顔色を伺ってしまう私の癖。
怒られるのが怖いんだと言うと、 怒ってないでしょう?と笑うから
私はやっぱり頭が変なのかなぁと思いながら、 手を繋いで歌を歌う。
8ヶ月。
きみはとても、いま、つらい。 つらいきみは、だれとも会いたくなくなるんだって。 知らなかったから、私は、悲しくて少し泣いた。 でも、そういう風につらいのを越える性質なんだとわかったから、 もう泣かないと思うよ。
多分ね。
きみは、すぐ、忘れる。 1時間前に「行こう」と決めた場所なのに、 1時間後に「じゃぁ○○行くか?」なんて、 忘れっぽいにも程がある。 決めたじゃん! 決めたじゃないですか、そこって! 明日の記憶だー。 なんて茶化すけど、
私はほんとうはとても哀しくて、こわい。
楽しい話が、これから先の話が、 きみを通り抜けて行く。
いっぺんに起こりそうで、どう手をつけていいのかわからない。 わたしはすこし、怖い。 きみは、ゆっくりやっていこうと言う。 きみの思いとわたしの思いが重なればいいなと思う。
だってそうでしょう。 きみは言ってしまった。 言葉は発せられてしまったワケだから、 その、 出てしまった言葉を消すことはもうできない。
だから、 「もうそんなこと言っちゃダメなんだからね!」と怒る、 しょーがない、どーしよーもないと諦める、 のふたつだけ。
きみの、本当にごめんなさいと言う声に、 私が怒ってもどうにもならないから、 もう、怒ってないよ、と答える。 きみは謝るしかできない。 私は許すしかできない。 まだ好きだから。 喧嘩は喧嘩だけど、コレで別れるほどのものでも… …うーん、ないだろうしと私は思ったから許したけど、どうかな。 今はまだ「きみが好き」だから、 許したことは間違っていないと思う。
話をすること、 日記を書くこと、 それらを他者多数にさらすことは、 時として危険で、大いなるリスク。
発した言葉、 記した文章、 どんなに消しても、何度も上書きしても、 オリジナルは誰かの記憶に留まる。 記憶は連想される。 そう、広がるんじゃなくて、連想。 最初と最後が絶対違う伝言ゲーム。 尾ひれ背ひれがつかないなんてこと、ありえない。 情報には、聞いた人の感情がプラスされる。 そのプラス分が増えれば増えるほど、 伝わった「事実」は、最初の「事実」より大袈裟で嘘。 でもね、 人間って、大袈裟好きでしょ。 他人の面白いこと好きでしょ。 人の不幸は蜜の味とも言うでしょ。
いい? 忘れないで。 絶対に。 言っていいことと悪いことがある。 書いていいことと悪いことがある。
きみの人格と、わたしの人格を揺るがすその発言は、 もう二度としないと胆に命じなさい。
…と、まぁ、成人向けジャンルだったら フツーにあるネタなんだろうけど、原因の発言。 それ、親が聞いたら、泣くよ、多分。 あー、バカだバカだ!(笑) 酔っぱらうの当分禁止!!
恋人でも、他人だね。 他人の口に戸はたてられないよね。 信じられない。 こんな辱めを受けるなんて。 信じられない。
最低。 あなたは、最低。
謝られても、何も、答えられない。 考えたくない。
最低。
お弁当。 イルカ。 ラッコ。 日が沈むまでは楽しかったのに。 きみは私に、楽しいと、空しいをくれる。 楽しいだけが欲しいのに。 デートって、楽しいだけじゃダメなもの?
7ヶ月。
漫画喫茶で御留守番。 きみのお友達は少し、いい加減だ。 あーあ。
はやく迎えにきてください。
いらっしゃい。
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