いわなければとずっとおもっていてけれどどうしても音にならなかった葉がひとひら。風邪の所為であたまがぼうっとしているのに便乗してそれでも三十分以上ぐだぐだしてやっと空気の振動にかえることが出来た、時期は逃してしまったような気がするしやっとこさ届くようなちいささだったけれどなんだか重荷をおろしたかんじ、だってそれは「そうしなければならない」類いのものだったとおもうから。たぶん。
さいきん、どうもこう、ずぼっと片足踏み外してしまったかんじがすごくする。はっきり言って、墜ちてゆくのは別に嫌いじゃなくて寧ろここちよい落下速度。けれどそれじゃいけないだろうとおもってもう片足でとどまっている、誘惑への抗い?おちてしまえばいいのかもしれないけれどおれ以外のものまで引き摺り落とすわけにはいかない、だろう。
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褒められるのはとても嬉しい、頑張ろうとおもうよ。
あらためて周囲を見渡してみて、ああやっぱりわたしはしあわせだったのだ、とおもう。当たり前のように其処に存在するものにはいまひとつ気付けない。ひとは大抵、不足分にしか気付けないものだ。しあわせの渦中にいるときは、しあわせなのだなどと意識もせずに、ただただ無意識のままにしあわせでいる。周囲の状況を知らなければ更にそうだろう。それが常だと、普通だと、おもってしまう。無くしたり離れたりしてようやく気付く。きっと、生を失った途端にそれがしあわせだったと気付くのだろう。