かなしくてかなしくてかなしくて(いとしくて)かなしくて。
紙袋の手提げは切れてしまうのかもしれない。片一方だけをそこに残したままで。たぶんきっと、紙でないものになりたかった。
ふちどりをぬらしたままで明日をみる。
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硫化水素自殺が流行っているそうですが、俺の家の直ぐ近くの公園でも起こったそうです。身近すぎる……。
五月になった
胸のなかの小部屋で金魚とともにあなたは泳ぐ
尾びれの線が渦になるのだとわらって
わらって
わたしは黒い小石にまるまって
下からそれを見上げている
昼間っから煙草をのんで、うさんくささに少しむせる。格子からの陽射しがフィルターを焼いて、白煙が突風に絡まって、うねうねと自問自答している。お前は犬を殺す気かと。如何せんうっかりとしているなと。三時になったらあいにいこう。八重桜と青空。避雷針と太陽。かなしくなる暇なんて、ない。(しかしやっぱり、うっかりしてしまう。)