缶に残った一つのドロップのように カラカラと音を立てる
振ってもゴツゴツとしか鳴らなかった音は 人が食べ自分でも舐めるうちに 軽い音しかしなくなってしまった
もう少し あと少し
そして最後
今まで食べた味を見つめる
まだ価値を持つそれは 空になってしまったら どうなるのだろう
最後の味はどんな味か
私と一緒に在る缶は 私と共にカラカラ小さく鳴いた
2005年07月27日(水) |
perfect free |
僕らは何を感じるも
視覚 触覚 味覚 聴覚 嗅覚 いずれかを介さずにはいられない
発する事で 認識してもらい
感じる事で 他者を知る
が
外からの刺激は 脳で反応しているだけで 独りでは無い事を 証明する術ではない
それは
ただ 何者にも拠らず 一人で生きているのと 変わりは無い
あくまで 閉じた殻の中の世界に生きる個なのだ
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