場所はあの子の家。 あの子の結婚が決まったらしい。 ご両親と何人かで席を囲んでいる。 あの子の顔は見えないが気配はそばにある。
みんなで良かったねぇ等と言い合って幸せそうな雰囲気を僕は感じている。
あの子のウェディングドレス姿を想像する。 良かったなぁと思いつつも、 夢の中で僕が出した言葉は、 「でも、生きているうちに見たかったよ」
その言葉を発しながら急速に夢は涙で滲んでいく。 夢は終わり、泣きながら目を覚ました。
最愛の人間の内の一人が亡くなった。
彼女は22歳の若さで死を選び、決行しました。
僕と彼女の関係は一言で表すのは難しいものだった。 世間一般で言うところの「恋人」とは違い「友達」とも「家族」とも何か違う。 「同属」と言うのが適当だろうか。
色々言いたい事がありすぎて言葉がまとまらない。
俺は、、彼女に対する「傍観者」だった。 何をしていても見続けてあげる、そばに居る。 今思えば俺の懐深さを彼女が居ることで体感し、自己満足していたのかもしれない。 けれど、「ハリネズミのジレンマ」を防ぐためのギリギリのラインだったと思う。思いたい。
彼女はサイトを持っていた。 そしてここエンピツにも日記を。
死ぬ何日か前に、最後の更新を頼まれた。 いつ、決行するかも知らせてきた。
俺は。止められた。 新幹線で向かい、拘束してしまえば死は防げた。 だけど、言葉でしか止めなかった。
正しかったのか、間違っていたのか一生考えるだろう。 彼女が苦しまなくなる可能性は生きている限りはゼロでは無かった。 けど居なくなってしまった今、その可能性はゼロになってしまった。苦しむ可能性も同じくゼロなんだが。
仕事を休み、お通夜と葬儀に参加させてもらった。
生前の彼女からは想像できない彼女が居た。 ただ、覚ますことの無い眠りについていた。
事あるごとに涙が出た。
「なんで?」 「もう会えない」 「もう話せない」
自分が気に入ったCDも映画も共有することは出来ない。
お骨になったあとも、僕の中にある彼女の顔は はにかみがちにうつむいて口元に笑みを浮かべていた。
悔しい。
彼女は見た目からは想像できない事をしていた。 それは全て日記に書いていた。 彼女に会ったことがある人がそれを読んだとしてもまずは信じられないだろう。
思うに、彼女は優しすぎた。 嘘も付けなかった。 親に迷惑をかけることを恐れ、自分を慕ってくれる人を傷つけることも恐れた。
「自分が磨耗する事も、かと言って人を傷つけることもしたくない」 背反する二つの事を解決するために彼女が導き出した答えは死だった。
多分またこの事について書くこともあるだろう。
時間が癒してくれることもわかっている。 ただ書きたかった。
mixiから飛んでくれた人たちへ。
俺の紹介文を唯一書いてる子です。 サイトとは違うことが書いてありますが。
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