聴き歌い浸るさっきまでの焦燥感はもう思い出せないかわっていつの間にか満たされた器から零れるように目じりが湿るデッキの電源を落とすのも忘れそうな眠気に襲われ無理に開けた眼でこの場を見る
閉じられた視界に、黒と赤が踊る。刃紋の様に冷たく鈍く揺らめき、赤は黒に交わりながら溶けていく。肺から鼻に抜ける呼気がふいごの如く赤を扇り、黒から呼び覚ます。くすぶり、焦がし、熱を篭らせ、黒に潜み、赤に照らされる。闇を燃やし、煤に覆われる。