迷い心


2007年03月02日(金)

海沿いのリゾートホテル。
ハリウッド映画のようにきらびやかで清潔感に溢れている。
岩だらけの海岸はホテルのプールサイドに続く。

水面に揺れる青い照明を横目に逃げ惑う。
猫科の動物のように岩を飛びホテル脇を音もなく駆け抜ける。
奴は遠くに見える。
けど、解っている。
こっちがどんなに素早く最短距離を走り抜け、彼が鈍重で遠回りをしていても、いつかは追い付かれる。
追い付かれる事の恐怖。
恐怖がさらに脚を加速させる。
奴はホテルの客を襲う。圧倒的な力で千切っては投げ、捻っては潰す。

夢の中で抵抗する術を忘れた僕は途方に暮れ。




2007年01月02日(火) 涙のわけ

青臭さ香る芝生の上にて

犬とフリスビーに興じる男の子
それを羨ましそうに眺める女の子
家族サービス中であろうビールで鼻を赤らめた父親
誰にも聞こえないであろうに顔を寄せ合い
お互いの耳に囁きあうカップル
日当たりの良いのベンチに腰かけ鳩に餌をやる初老の男性
据置きのゴミ箱を巡回している清掃員
遠くのビルのそのまた向こうでゆっくり動く雲

それらを眺めながら流れた涙は
木もれ陽のせいだろう


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仁 [MAIL] [My追加]