大作戦。 - 2005年07月02日(土) 隣りの猫がうちのベランダに侵入してくる、というのは、 何度もこの日記に書いた通り。 昨日も起きて、カーテンを開けたら、置いてある乾燥機の上に、 茶猫が昼寝の真っ最中であった。 そいつが、隣りの猫の中でも一番嫌いなやつだったということもあり、 そんなふうにくつろがれるのは、不法侵入をされてるみたいで どうも心持ちが悪い。 なんとか、阻止する有効な手立てはないかと、夜、旦那に相談してみた。 「もう、なんとかならないかね〜。今日だって3時間も居座られちゃってさ〜」 「やっぱ、何か置かなきゃだめだな」 「だってさ〜、ビール缶置いても落とされちゃうし、 芳香剤も効き目なかったよぉ〜 画びょう置くわけにもいかないじゃん・・・」 私がため息交じりに言うと、旦那は何か変わったもので、且つ、飼い主である Sさんがうちを覗いても、気がつかないようなものを置くのが良いという。 それは具体的に言うとこういうのらしい。 「ガムテープがいいね。輪っかにして、何個も乾燥機の上にくっつけて置く。 で、猫が知らずにそれを踏むだろ。そうすると、ニャッ!俺の肉球に 何かついた。 ニャッ!?肉球が変だニャ!?って思うわけ。 そんで足の裏を見て、あ〜〜〜にくきゅうにぃ〜!ベタベタしたものがぁ〜、 あ〜!!!ってもう猫は焦りまくりよ」 彼に言わせると、それで猫も懲りて二度とうちのベランダには来なくなるという。 名付けて「肉球大作戦」なのだそうだ。 両手に軽くこぶしを作り、それをもがくようにバタバタさせるという 猫の仕草を自ら真似、 「あ〜、、俺の肉球にぃ〜、、俺の肉球がぁ〜」といつまでも叫ぶ旦那の声が、 私の耳の中で次第に遠くなってゆく。 相談しなきゃ良かった。 おしまい。 ... 挨拶。 - 2005年06月30日(木) おとといの深夜、いけないのだが、ゴミをこっそり捨てに行った。 ここでは、基本的に、前日にゴミを出すのはご法度。 で、当然、できるだけ音を立てないように、 コソコソと郵便受けのあたりまで行くと、 すぐ前の道に2人の警察官の姿が見えた。 なんたってやましい気分満々なもんだから、お縄になるような気がして、 思わずゴミを持った両手を後ろに隠しそうになった。 さて、良く見ると、そこには警察官の他にもう一人いるのだった。 背の高い、色は地味だが、柄は派手、といったアロハシャツを着た 丸坊主の50歳ぐらいのおじさんであった。 カタギではないことは一目瞭然。 警察官の2人に職務質問されている様子である。 ゴミを片手にすれ違いざまに聞いてみると、 「そりゃあね〜、確かに息子の友達にツバは吐きかけましたよ。 うるさかったもんでね」 とオヤジ。 それだけでは、何故、彼が警察官に囲まれてるのか、ちっともわからない。 ツバを吐きかけられた友達の親が彼を訴えたのか・・?などと 想いをめぐらせつつゴミを捨て、帰りに再度耳を傾けてみる。 すると、 「いや〜、実はね〜、俺、離婚されちゃったんすよね〜」 と、オヤジったら身の上話を始めていた。 結局、彼が何故、警察官に職務質問されていたのかは、解明できなかったのだが、 1、カタギでないような人が・・・ 2、警察官に・・・ 3、職務質問・・・ と、三拍子揃った、「警視庁24時」みたいなシチュエーションが 面白くて、旦那の帰りを待って、早速このことを言ってみた。 「〜というわけだったのよ」 「ふ〜〜ん」 「ねえねえ、そのオヤジ、絶対、ここの住民だよね」 「そうじゃん。ここの前にいたんだから。ナニ?おまえちゃんと挨拶した?」 「えっ!?あの状況で・・・?」 「当たり前じゃ〜ん。ダメだよしなきゃ。挨拶はどんなときも大切だよ〜〜ん」 だから、職務質問中だったんだって! おしまい。 ... 機転。 - 2005年06月29日(水) 私がまだ予備校生だった頃のこと。 ある日、父が東京に出張に来た。宿泊は有楽町の某ホテルであった。 せっかくだからと、有楽町でご飯を食べることになった。 私の父は何かと見栄っ張りなところがある。 待ち合わせをし、ブラブラ歩いて、父が「ここで食うか」と私を誘ったのは 帝国ホテルだった。 さて、二人でロビーを歩いていると、公衆電話の前に立っている外人が、 英語で何か言いながら、私達に向かってしきりに手招きをする。 良く耳を傾けてみると、「ホワット タイム?」と時間を聞いているのであった。 咄嗟に口から英文が出なかった私は、猛ダッシュでその外人のところまで 駆け寄り、自分のしていた腕時計の文字盤を彼に見せた。 その様子を見ていた父は 「なかなか機転が利くじゃないか・・」と感心したそうである。 先週木曜日、友人M子と「アールデコ展」を観るため、 上野の美術館で待ち合わせをした。 美術館は上野の「公園口」にある。 だが、考え事をしていた私が出たのは「南口」。 ほとんど見覚えのない景色に呆然としつつ、 「美術館の周りには木がいっぱい」という覚えだけを頼りに、 緑がこんもり茂って見える方に向かいながら、両脇を高い塀に囲まれた 細い道を歩き始めた。 ところが、行けども行けども、美術館は見えない。 そのうち、見えて来たのは、寺と中学、あとは道の脇に車を止めて 昼休憩をしているタクシーばかりである。 待ち合わせの時間はとっくに過ぎている。 ついに、私は止まってる中の一台のタクシーの窓を叩いた。 「すみません・・上野の公園口ってどこですか?」と。 顔を出した、五十ぐらいのタクシーの運転手さんは親切で、 熱心に説明してくれたのだが、ざっと聞いただけでも遠そう。 私は言った。 「あの〜、休憩中だとは思いますがぁ〜、乗せてくださいなんて・・ ダメですかぁ〜?」 運転手さんは、一瞬、戸惑ったようだったが、ドアを開けてくれた。 案の定、走ってみると距離がもの凄くある。 本当に声をかけて良かった・・と自分の機転に大満足であった。 この機転がなぜ、面接時に出ない・・・。 おしまい。 ...
|
|