台所のすみっちょ...風子

 

 

密着 - 2005年11月06日(日)

今は荷物に囲まれた部屋に布団を敷き、

体を寄せ合うように寝ている私たち。

この生活もあと少し。新しい家に移るのはもうすぐである。


新居にはベッドを入れるつもりだ。私的にはダブルベッドが希望。

ところが、この案に旦那は乗り気ではない。

一人一つのベッドでのびのびと寝たいのだそうだ。


「もう・・愛されてないかも・・」と、私の小さな胸は震えっぱなしだ。

だって、ハリウッド映画を見ても、

仲の良い夫婦はみんなふわふわのダブルベッドに

ふわふわの枕を何個もおき、ピッタリくっついて眠っているではないか。


さて、おととい。朝方、トイレに行きたくて目を覚ました時のこと。

何気に横の旦那を見て、彼の体に毛布も何もかかっていないことに気がついた。

パンツ一枚のほぼスッポンポンの姿で、手をピッタリと身体の脇につけ、

両足をピンと伸ばして、まるで硬直したように寝ている。

(寒いに違いない。早くかけなければ・・)

私は毛布を探した。

しかし、そばには見当たらない。そこで見渡す範囲を広げてみたら、

ナント、彼の毛布は私にかかっていた。

私が寝相にかまけて取ったらしい。

心なしか青白く見える彼の顔に、つい「ヤベ!」と言葉が漏れた。

すると、その声に彼が起きてしまった。

「ふぇ?な、なに?ど、どうした?な、なにがやばいの?」

で、毛布を取ったことがあっという間にバレた。


その後、旦那は

「おまえは昔から良く人の布団をとっていた」

「お前とくっついて寝るのは俺の体に良くない」

「俺はダブルベットでは寝ない。絶対に!」などと言い出し、

挙句に

「シングルにしてベットとベッドの間にはナイトテーブルを置こう」とまで

提案される始末で、私との「密着問題」に彼はますます態度を硬化させている。



おしまい。


...

ウキウキ? - 2005年11月02日(水)

11月下旬の新居への引越しに備え、我が家では

家具と電化製品の選定に入っている。

結婚して10年。家具はもちろん、洗濯すればするほど汚れる

洗濯機、汚れた空気を排出する不健康エアコンなど、特に電化製品の

衰えが甚だしい。買わざる終えない。


予算が少ない我が家のことなので、

カタログを集め、割引率の高いネットでの購入も視野に入れ、

旦那はエクセルで購入予定品とその金額を表にするほどの

念の入れようである。

ここ最近は2人とも寝不足だ。

大金が出て行くのは悲しいが、新居ですもの。

新婚以来のことに、待ち受ける新しい生活に自然と胸がウキウキする。


そんな中、今日、司法書士から一本の電話が入った。

なんの御用かと話を聞いてみると、

「あの〜、お願いしていた登記に必要な印鑑証明と住民票なんですけど〜。
 届いておりません。いただけてないのはお宅様だけなんですがぁ〜」

ときたもんだ。

電話を切り、「入居者の皆様へ」を読んでみると、

確かに10月の21日までに「当事務所へ」と書いてある。

そういえば、説明会の時に、旦那の元カノに似た女性の司法書士を前に

「ハ〜〜イ!わかりましたぁ〜」などと調子よく返事をしたっけ。



やることやってから、ウキウキしろ。


おしまい。


...

思い込み。 - 2005年10月29日(土)

人間とは思い込みの激しい生き物である。

それは、知能が高いゆえの宿命なのかもしれない。


私の場合をいえば、

昔、「割烹」という字を「わりてい」と読んでいた。

また、2、3年前までは日本人の約5割がたぶんそうであるように、

「台風一過」を台風のファミリー、「台風一家」のことだと思っていた。

これは、ある日の天気予報で、旦那の指摘により

間違っていたことが判明した。


で、もうそんな思い込みの類はないだろうと思っていたら、

先日、私が思っていた「こなきじじい」が「こなきじじい」ではないことが

夫婦の会話の中で発覚したのだ。


「こなきじじい」とは言わずと知れた「ゲゲゲの鬼太郎」に

出てくるキャラクターで、

赤ん坊の泣き声を出し、相手にしがみつくと石のように重くなる爺さんである。

だが、私は旦那に言われるまで、ずっと「粉を始終、石うすでひいている爺」

だと思っていたのである。

「こなきじじい」は「粉引きじじい」の詰まった形だと思っていた。


我が家では日常的に

「こなきじじいみたいじゃん」とか

「こなきじじいライク」とか

「ズバリ!こなきじじい」

などと、「こなきじじい」という言葉を良く使う。

それは、上半身にのみ毛布をかけ、下はパンツ一枚。筋肉隆々の生足2本が

その毛布からにょきっと出ている、という上だけやたらボリューム感のある

旦那の寝姿によるものだ。

彼はこういう寝方がとても好きだ。


こうして日記を書いている今も、彼は隣の部屋で

「こなきじじいスタイル」で寝ている。

けれど、私は「じじいが粉を一生懸命ひく様」を

もう彼の寝姿から想像したりしない。


思い込みの激しい人間という生き物は、学習する生き物でもあるからだ。


おしまい。


...




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