台所のすみっちょ...風子

 

 

瞳。 - 2005年11月13日(日)

昨日の朝方、とはいってもまだ暗かったから

何時かははっきりしないのだが、

ふと起きて、横の旦那を見たら、彼が目をパッチリ開けて

私の方を見ていた。


なんとつぶらな可愛い瞳だろう。

居間から指すかすかな豆球の明かりが彼の瞳に反射して

まるで少女漫画に出てくるお姫様みたいだ。


彼はパチパチと大きな瞬きをする。

それは子供が何かを哀願するようで、私は自分に母性がある、ということを

改めて認識したぐらいだ。


どうしたの・・?私はそれだけを返し、また夢の中へと

帰っていったが、起きてからも彼の愛らしい瞳のことが

忘れられなかった。


夜、そのことを聞いてみた。

すると、彼は言うのだった。

「そう、おまえのことず〜っと見てたよ。
 だって、すげぇ〜イビキだったんだもん。
 うるさくてさ、俺眠れなかったんだよ。だから、観察してたんだ。
 どうやって呼吸したらそんなでけぇ音になるかって。
 も〜カンベンしてくれよな」


聞かなきゃ良かった。


おしまい。


...

二人暮し。 - 2005年11月12日(土)

2週間ほど前から夕方になると、必ず電話が鳴る。

電話の主は愛飲している栄養ドリンクを持ってきてくれる、

置き薬のおじさんである。

「11月に引っ越す」と2ヶ月ほど前に伝えてあったので、

未清算でバックラレられてはたまらん、と焦ったらしい。


多いときは日に3〜4度、留守電にメッセージが残されていた。

家にいたときもあったのだが、今月、我が家はピンチなので、

まだいっかな〜と私が居留守を決め込んだりしていたのだ。

呼び出し音代わりの「Chenge The World」が鳴る傍らで

身をすくめていると、ヤミ金で借りてしまった人の気持ちがよ〜く分かる。


今日、ようやくおじさんに会った。

度重なる電話攻撃に私が根負けしたと言ってもいいだろう。

彼が玄関に入るなり、私は当然、なかなか連絡が

取れなかった自分の非を大人として詫びた。

「ごめんなさい。何度もお電話いただいていたみたいで〜。
 なんか、主人が留守電のメッセージをすぐ消しちゃうので、
 電話をいただいてることがぜんぜん分からなかったんですよ〜
 おととい、主人からようやく聞いて・・ごめんなさい。
 もっと早く言えよ!って主人には怒っておきました」


2人で暮らしている、ってことは本当に便利だと思った。


おしまい。


...

忘れんぼ。 - 2005年11月11日(金)

夏、新潟に帰ったときのこと。

話のついでに母から旦那の会社での肩書きを聞かれた。

ヒラリーマンなのか、そうでないのか、ってことである。

前に聞いたこともあるような気がしたのだが、すっかり

忘れてしまったので、「知らないなぁ〜」

私はそう答えた。


彼の肩書きを知り直したのは、最近のことである。

ふと、母との会話を思い出して、

「ヒラだったっけ?」と聞いたら「係長」だという答えが返ってきた。

「係長」がまたどういう立場なのか、これまた良く分からない。


今日、換気扇の下で旦那がつぶやくようにこう言った。

「はぁ〜、もうすぐ引越しだなぁ〜。当分バタバタするから
 それにかまけて結婚記念日を忘れないようにしなきゃなぁ〜」

私たちの記念日は年明け1月21日である。

「そうだよね〜。毎年、一月になると忘れるんじゃないかって
 ちょ〜緊張するよ」

「お前の方が忘れがちだもんな」

「あっ、でもボーナスは覚えている12月の第一週でしょ」

「そういうことは良く覚えてんなぁ」


おしまい。


...




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