セピア色の思ひ出
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授業中、携帯をいじっている生徒がいた。 そして運悪く、先生に見つかってしまった。
教室はわりと大き目の講義室であり、授業とは関係の無いことをしていても「先生に気付かれにくいだろう」と、後ろの席に座っている生徒は思いがちな広さだ。 しかし、教壇からは生徒の様子が予想以上に見渡せる。らしい。 そして、その先生がたまたま授業中の携帯いじりや、おしゃべりにひときわ厳しい人であったことが、運のつきだったのだろう。
先生は年度始めの授業の際、 「授業中、携帯を使った人には単位を与えません」 と公言していた。
今日携帯いじりが見つかってしまった生徒に教師は小さな紙切れを渡し、 「すぐにその紙に名前を書きなさい」と言い渡した。 そして記名された紙を受け取り、 「あなたには、前期の単位は与えられません。」 と、言い放った。その目は、本気だった。
教室内の生徒およそ250人が、その光景にくぎ付けとなっていた。
今回のことは他の生徒にとっても、いい戒めになったに違いない。
大方の教師は、講義中に携帯をいじっている生徒に気付いても、見て見ぬふりをする。そして生徒はそんな教師等に甘んじて、大勢でカチカチと携帯をいじっているのだ。
しかし少なくともこの授業だけはもう携帯を使う人はいなくなるにちがいない。
授業終了後、生徒達は互いに、目の前で一生徒の単位を取り上げた教師のことを罵った。 しかし私は、その教師を罵る生徒達を、まさに罵りたくなった。 教師のどこが悪いというのだろう?
生徒は、授業態度に対して 甘く緩い 教師ばかりを好む。 でも、私は、厳しく注意する教師が断然好きだ。 生徒の不正な態度を律することも含めて、教育だと思うからだ。
別に教育者になりたいわけではないけれど、 平穏であり、ごく当たり前な姿勢で授業を受けたい、 私はそう思う。
自分の顔から表情が失われて、もうどれくらい経ったのだろう?
何年か前には、私にだって毎日が楽しくてしょうがない日々が確かにあったはずなのに…。
ここ数日、同居人の実妹と、彼の前でしか表情を緩ませない自分。
外では無感情のロボットのように 一つとして表情を変えない。
学校も、学校の友人も、自分も、自分の将来も、 全部、全部、嫌だ。
大嫌いだよ、何もかも……
何もしたくない。 どこにも行きたくないし 誰とも接したくない。
今はタダ、何もかもから隔離されて、大好きな本を読みあさっていたい。 そしてほんの中の現実とは違う世界に逃避したい。
そう願っても 確実に明日はやってくるし、 どんなに嫌だと思っても 自分は定刻に起床し、 顔を洗い、朝食をとり、お化粧をして いつもどうり 学校へ行くのだろう。
ファミレスで八時間近く、彼と二冊の本を貪り読んだ。 二年前に一緒に買った「冷静と情熱のあいだ」だ。 彼が辻 仁成さんのBlu 私が江國 香織さんのRosso を持っていた。
二年間、ずっと本棚の奥にしまってあった。 買ってから一度もページを開くことはなかった。
彼はこの三月まで大学浪人していたのだが、 受かったらこの本を二人で読もう と、買ったときに約束していたからだ。
そしてこの日、今まで重かったページをやっと開くことができた。
昔恋人同士だった、二人の男女のお話。 Blu は男性側の視点から Rosso は女性側の視点から それぞれ描かれている。
両書ともストリーは13章まであって それぞれ一章ごとにほぼ同時進行している。
私と彼は、一章ごと交互に読んでいった。
読み終わった深夜一時頃、私はなんともいえない心境になった。 確かにこれらは、素晴らしい著書だった。 今まで読んだ本達(とりわけ恋愛小説)の中では一番、と言っていいほどの驚きと感動を覚えた。
でも、私にとっては同時に、激しい焦燥感に襲われた。
この小説の中で、大切な人を失う怖さを、垣間見た気がしたからだ。 そして本を読み終わった後、その「大切な人」は、 まさに私の目の前に座っていた…
ファミレスを出た後、甲州街道沿いを二人で歩いた。 深夜の国道は、相変らず車道は賑やかだったが、歩道には誰もいなかった。
そんな、車道とは隔たれた静寂の世界で、彼から初めて私の手を繋いでくれた。 私たちは付き合って二年半になるけど、一度も外で手を繋いだことがなく、そして彼はかなり淡白な人だから、彼からの行動には嬉しさと共に、驚きと戸惑いを感じた。
恋愛小説を読んだ後の陶酔感と、誰もいない深夜の歩道という普段とは少しかけ離れた雰囲気が、彼の手を動かしたのかもしれない。
でも、手を繋いだ瞬間、私には彼が逆に、どこか限りなく遠い世界に行ってしまった気がして、心がすごく痛くなった。
2002年12月24日(火) |
**車椅子のホームレスさんの話** |
数日前 都内の、ホームレスさんが大勢在住する某駅で、 車椅子のホームレスさんを見かけた。
私はその時バイト帰りで、もうかなり遅い時間だったので そのホームレスさんは車椅子に座ったまま大衆に背を向けて眠っておられた。
一般的に偏見の目で見られることが多い、ホームレスさんたち。 その上、身体に障害を負っているその人は、どんな人生を送っておられるのだろうか…。
(所詮他人事だから、そんなこと私が考えても意味が無い、といわれたら何も言えないけれど…)
ここ十数年で、日本国内ではかなり身体障害者への配慮が為されるようになってきたといわれているが(建設物へのバリアフリー化などは特に目覚しい)、それでも北欧の福祉国家に比べたら、この国はまだまだ遅れをとっている。
私の父は一風変わった人。 私が幼い時からずっと、自分の将来の夢はホームレスになることなのだと聞かされてきた。(半分冗談だったが、半分は本気みたいだった) 父は、ホームレスさんの自由な生活に、憧れさえ抱いている。 そして、ホームレスさんたちには、気さくな人が多いのだと、彼は言う。
そんな父の下で育ったためか、私自身、ホームレスさんへは何の偏見も持っていない。 人が避けて通るホームレスさんの溜まり場の近くも、平気で歩ける。
そのためか、その車椅子のホームレスさんのことが今でも気になってしょうがない。 善人ぶった同情心からかもしれないけど、気になってしょうがないのだ。
彼は今日、どんなイヴを過ごしているのだろうか……
2002年12月15日(日) |
**お買い物♪の話** |
今日はとってもとっても久しぶりに、渋谷〜原宿界隈をウロチョロしてきた。 妹と。
まずはブーツ探し。 とあるお店で気に入ったショートブーツを見つけたけれども、 足のサイズが大きい私は、そのサイズの在庫がもうないのだと店員さんに告げられ、しょうがなく取り寄せてもらうことにした。早く届かないかな♪と、非常に楽しみなところだ。
次はラフォーレに行き、とあるお店の店員さんと親睦を深めてきた♪ 私は、ショップで店員さんと話すのが大好き! 深い係わり合いを持つ訳でもなく、その場だけのお付き合いだから、 接していてもとても気持ちが楽だからだ。
その後も様々な路面店をグルグルして、 最後は渋谷パルコのツモリチサトへ。
ツモリチサトはやっぱりとってもかわいい! でも、高すぎてまだ一着も買ったことなし… 欲しいよ〜
春休み、バイト頑張ろうっと…
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