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2004年06月22日(火) ■ |
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♪モーリス・ベジャール・バレエ団【Bプロ】『魔 笛』ジル・ロマン、ドメニコ・ルヴレ、ジュリアン・ファヴロー(04/08/31up) |
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BBSより転載(観劇後、簡単に書いたものにキャストなど追加)
弁者: ジル・ロマン タミーノ: ドメニコ・ルヴレ パミーナ : ルース・ミロ ザラストロ: ジュリアン・ファヴロー 夜の女王: エリザベット・ロス パパゲーノ: 那須野圭右 パパゲーナ: カトリーヌ・ズアナバール モノスタトス: アレッサンドロ・スキアッタレッラ
夜の女王に仕える三人の侍女: カテリーナ・シャルキナ、 ルイザ・ディアス=ゴンザレス、 長谷川万里子
三人の童子: バプティスト・ガオン、パスカル・アルベリコ、 ジュリアーノ・カルドーネ 三人の僧侶: ティエリー・デバル、 ヴィトー・ルチアーニ、 スタン・カヴァール=ロエ 三人の奴隷: ロジャー・カニンガム、 マ-ティン・ヴェデル、 イーゴル・ピオヴァノ 二人の武士: オクタヴィオ・スタンリー、 マーティン・ヴェデル
イシス: レティシア・レスカ オシリス : デニス・ヴァスケ
22日にベジャール・バレエの『魔笛』を観ました。 有名オペラが下地の2幕もの作品で、管弦楽によるバレエとは一味違い、人の声は新鮮。 また、よくあるコラージュ的な音楽の使い方ではないので、全体的に一貫性も感じます。 その分、盛り上がるところと静かなところの波があまり無く、場面が変わっても全体の雰囲気にそれほど変化が少なかった印象です。 それと「群舞が一斉に踊る」という場面が少ないようにも思いましたが、それぞれの役が活かされ、ダンサーの個性を楽しむには面白いと思いました。
印象に残ったキャスト。 まず、夜の女王役のエリザベット・ロス 。あの存在感は、本当に凄いですね。 登場して歩いているだけでも圧倒的な個性で、見るものを釘付けにします。辺りの空気を変えるオーラというか...。 女王の威圧感、でも母性的でもあるし、“女”でもある...。見ごたえのある方ですね。
ザラストロ役、ジュルアン・ファブロー のゆったりした大きな踊りは、一つ一つの動きの軌跡がきれいで、スゥーと自然に見入ってしまう感じ。 役柄の為か、現世を忘れさせてくれる高潔な雰囲気がとても美しくて良かったです。
パパゲーナ役のカトリーナ・ズアナバール は、そんなに出番が多くなかったですが、パッと輝く華があって印象に残ります。鮮やかなカラーの衣装もよくお似合いでした。
タミーノ役のドメニコ・ルヴレ は、独自の個性を持っていで雰囲気は良かったです。でも、あんなに出番が多くて、踊りも沢山見ることが出来たのに、こじんまり纏まった印象。ダンスによるアピールがもう少し欲しかったですが、静かな円熟味を感じました。
パミーノ役のルース・ミロ は、複雑な胸中を表現するこの役に合っていたと思います。表情が豊かなので、役柄がとても解りやすく伝わってきました。 ただ、体形的にあの白いユニタード衣装があまり似合わないような...。スミマセン。
ジル・ロマンが演じた弁者 。大変よく通るお声。とにかく迫力ありますね。気の利いた演技が面白くて、良い味を出していらっしゃいました。身体からみなぎるパワーは秀逸。
今回は前方席で鑑賞したせいか、舞台上奥の一段高くなっているところでパフォーマンスされると目が届かなくなってしまいました。 例えば、イシス&オシリスなどが見づらかったのが、少し残念。 それと左右の字幕表示も、殆ど見ることが出来ませんでした。初めて観る場合は読んでおいたほうが良かったのかな?
《カーテン・コール》
一幕が終わって休憩に入った時、NBSの方?が座っている席に来られ、「今日でベジャールさんがお帰りになるので、カーテン・コールで前に出てこられたら、舞台に花を投げ入れてもらえますか?」 と、一輪の赤い薔薇の花を渡してくれました。こんなこと初めて!
最後のカーテン・コール時、“一斉に”というわりには多少バラつきもありましたが、前方席から花の投げ込み! 私もベジャールさんに向かって、思い切り投げさせて頂きました。(^.^)
そして佐々木団長が登場し、自ら大きな花束をベジャールさんに渡されていました。 頭上からメッセージ看板。客席全体はスタンディング・オベーションでベジャールさんを讃え、大いに盛り上がっていましたよ。 ベジャールさんが下がったあと、ダンサーの皆さんが床に散らばった花を拾い、笑顔でカーテン・コール。幕が下りた後には、幕の内側で大きな拍手が聞こえてきました。
ベジャールさんですが、以前は吸い込まれそうに強烈な眼力と、力強い威圧感が凄いなぁと感じていましたが、今回はとにかく懐が広く優しげな印象でした。
これからもお元気で頑張って頂きたいと、心から願っています。
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