このままじゃ会いにいけない

 薬を飲まずにうとうとすると、よく夢を見る。
 よく彼の夢を見る。
 明け方起きて、泣きながら受取人のいないメールを書く。
 言い訳がましいいやなメールだ。


 夢のなかで彼は、がんばれ、と言ってくれた。
 最後に電話したとき、やっぱりがんばれ、と言ってくれた。
 私はがんばれずに辞めてしまったから、許して欲しいんだと思った。
 またがんばれと言って欲しいんだと思った。



 彼がいなくなって、私は住所を握り締めるばかりで一度も彼を訪ねていない。
 このままじゃ会いにいけない。
 がんばっているよと言いにいきたい。
 がんばりたい。
2006年04月19日(水)

メイテイノテイ / チドリアシ

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