二年経ってもまだ私はこんな調子で

 どうしたわけか、毎晩のように彼を夢にみます。
 いつもなら、薬飲んだら夢を見ずに眠れるのに。
 父親の夢もみないのに。
 父親と同じ歳で亡くなった彼の夢をよく見る。
 うまくいかないことを彼の所為にしたくなかった。
 だから精一杯やってきたつもりだったけれど。
 「つもり」だけで努力が足りなかったという後悔からだろうか。
 がんばりきれなかった後ろめたさからだろうか。
 いま現在がんばっていない羞恥からだろうか。
 二年経ってもまだ私はこんな調子で。
 ほんとうに。このままじゃ会いにいけないよね。


 そういえば、私は彼につながるものをなにひとつ持っていない。
 でもいい。ものが何になるだろう。
 最後の写真は忘れない。最後の電話も忘れない。
 いつか会いにいく。
2006年04月21日(金)

メイテイノテイ / チドリアシ

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