裕と私は微妙な関係だった。
実際、裕には他にも「付き合っている女」がいた。
ホストの世界では当たり前だけど、
「イロコイ」
「擬似恋愛」
付き合っているという名目の女は沢山いて
それを分けるのは
「イロコイ」
か
「本命」
か。
裕は私を本命だと言う。
だけど、そんなの全員に言ってるに決まってる。
だけど、そんなのどうでもよかった。
ただ、ホストに呑みに行くのが楽しかった。
みんなでワイワイ遊ぶのが楽しかった。
店での友達も結構できたし
それより何より私の呑み代はほとんど裕のおごりだった。
それがなんとなく「本命」なのかなって。
ちょっと気分がよかった。
ある日、裕の家に誘われた。
店が閉まってから、私の車で彼の家に向う。
私は物凄く憂鬱だった。
家に行くってのは、結局男女の関係を示す。
男性経験はそれなりにあったけど。
好きでもない相手とだけは寝たくなかった。
私は憂鬱だった。
そして憂鬱なまま
抱かれた。
4歳も年下の彼に抱かれた。
後悔ばかりがそこに残った。
「俺、みぃが本当に本命だから」
裕は言ったけど、そんなのはどうでもよかった。
後悔。
するって分かってて
なんでしちゃったんだろう。
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