2004年05月19日(水) 本命とイロコイ。私の場合。 |
私の本命。
それは裕の働く店のホスト、武史。
武史は私よりひとつ年下だったけど、
それでも落ち着きがある彼は私の心を惹き付けた。
裕は酔っ払うと自分のお客がいても、平気で外へ行って寝てしまう。
そんな日が何日も続くうちに、私の相手を武史がしてくれて。
そして次第に私達は付き合うようになっていた。
「指名変えると色々面倒だからこのまま裕を指名して
そして俺に会いに来てくれよな。」
ホストがイロコイ使うのは指名のため。
だからこそ、武史のこの言葉が嬉しかった。
「ほら、見てー」
携帯のグループ分けで「彼女」のグループに私ひとりが入ってる。
それを見せて喜ぶ彼が好きだった。
裕が酔いつぶれて寝た後は本当に楽しかった。
次第に私は裕を邪険にするようになって。
「アンタ、私の席付かなくていいよ。」
「他に客いるなら、そっち行けば?」
裕はムスッとして隣に座っていた。
私が帰る時の見送りも
「いいよ、送らなくて。」
そう、あしらった。
その時だった。
腕を捕まれて
壁に弾き飛ばされて
裕の拳が私の左頬をかすめて壁を殴った。
「お前、本気で殺したろうかッ」
シャブの症状が出た目だったのかもしれない。
本当に人を殺めそうな目で。
私は恐怖にかられた。
武史の事は絶対にバレないようにしなくては・・・・。
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