「新しいお店になっても行かないよ。」
そう言う私にも裕は
「分かってるよ。」
ってイヤな声すら出さずに言ってくれてた。
裕が捕まってから数週間。
私達は電話だけの関係を続けていた。
そして、裕が新しく働く事になる店、「響」がもうじきオープンしようという頃
私が店の前でビラを配りながら、ボーッとしていた時
私の手から、無造作にビラを取り上げる人にビックリした。
慌てて見ると
それは裕だった。
数週間ぶりに見る裕だった。
でも、別人のような裕だった。
以前のダラダラした生活から一変、響の店長になる「店長」の家での生活。
パシリのような事もさせられてるんだろう、
スッカリ痩せていた。
元々が呑みすぎでプックリしていたから、痩せたと言っても
男らしく痩せていた。
そしてキレイに整えられた髪形。
そして私は、今度こそ裕地獄にハマっていく。
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