きまぐれがき
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2004年07月23日(金) 程好さとは

あまりにもむさ苦しくなった庭木を見た植木屋さんが、台風が来る
前に刈ってしまったほうがいいと言うので、手入れを頼んだ。

くすの木の枝のかなりの高いところに登って、余分な枝を切り落と
している姿が、こんもりと茂った葉の隙間からチラリと見えるだけで、
あとはチョキンチョキンギーコギーコと刃の音だけが聴こえるのみの
数時間。
あまりにも葉が茂りすぎて、鳩やらスズメやらなんだか分らない鳥の
巣やらがいくつもかけてあったそうだ。


おやつに軽いサンドイッチでもと作りだしたところ、キュウリ、トマトは
厚切りだったし、たまごも厚焼きになってしまったし、そこに薄切り
ハムを何枚も重ねて缶詰の白アスパラをはさんだら、口を目一杯開
けても入りきれないようなぶ厚くて重たいサンドが出来上がった。

こんなサンドイッチを目の前に差し出されても困っちゃうだろうな。
植木屋さんは、パンの間から白アスパラを引きずり出して指先でつまみ、
考え深げにしばらく眺めてから、顔を上向き加減にして上から垂らすよう
に口に入れた。
次に、はみ出たトマトとハムを引きずり出し観念したように口に入れた。
これでこざっぱりと、ほどよい感じになったサンドイッチに、やっと落ち
着くことができた様子だった。

少し離れたところから、きちんとお座りをして一部始終を見つめていた
犬たちのハァ〜ハァ〜した息遣いは、植木屋さんの指先がアスパラや
トマトやハムを引きずり出すたびにピタッと止んで、もらえるのかなぁ
との期待で目も輝いてしまっていたが、すぐに失望でまたハァ〜ハァ〜
となっていた。



7月19日の夕空。3日間ピンクの夕方が続きました。




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