きまぐれがき
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2005年04月22日(金) |
おばあちゃまの口を塞げ! |
「カナリアだけじゃなかったでしょ。」
前回の日記を読んでくれたのか、油壷夫人から早速電話がきた! あの贋作を買った時、一緒にいたのだからなにか言ってくるとは 思っていたらやっぱりね。
ご指摘のとおりこちらもあの時に↓ それにしてもよく憶えていること。
話しているうちに、とうに忘れていたことも思い出させてくれた。 油壷夫人が 「絵にひけ目を感じるのなら(強調したくないが贋だということね)、 額縁を誂えちゃえば」 などと横からチグハグなことを言ってくれるので、 「はぁ?」 と思いながらもそのとおりにしたバカな私は、なんだか高額な額縁 を誂えるはめになったのだったと。
さらに、絵画にまつわるこんなことも。 私たちがまだ学生だった頃に、油壷夫人の自宅が絵画泥棒に襲わ れ、壁に掛かっていた絵が何点も盗まれるということがあった。 油壷夫人宅の至宝はなんといっても、間違いなく本物の横山大観だ と誰もが思っていた! それなのに、その泥棒は横山大観を盗んでいかなかったのだ。 警察も妙な泥棒がいるもんだと不思議がった。
絵画泥棒が横山大観を盗まなかったことだけでも驚きなのに、 輪をかけてびっくりしたのが油壷夫人のおばあちゃまの 「廊下で泥棒とすれちがったのよ」 のさりげない言葉だった。 なんでも、夜中にトイレに行こうと廊下を歩いていると、向こうから 男がやってきた。 その男から 「こんばんは」 と、すれちがいざまに声をかけられたおばあちゃまは、てっきり 家族の誰かの友人が泊まっているのだろうと思い込んで、この時には 不信な感じを抱かなかったというのだ。
そういやぁ油壷夫人のママが保護司をされているとかで、刑務所から 出所してきた人が、職や住まいが見つかるまでの間泊まっていること もあったよな。 「この人は尊属殺人で刑務所に入っていたの」 なんてやけに明るく紹介されても、かえす言葉がないもんだ;;
が、その夜は誰も泊ってはいなかった。 それでは暗闇ですれちがった男。。あれは泥棒だったのだと、翌朝の てんやわんやの騒ぎの時に、はたっ!と気が付いたおばあちゃま。 遅すぎ!
「その男の顔は?土足のままだった?」 など警察や家族からいろいろ聴かれても 「だって、廊下の電気が切れていたし、玄関ホールの薄明かりだけが 頼りで、ほとんど闇にちかい廊下だもの、顔などわかるはずがないじゃ ありませんか」 を通してきたおばあちゃまだったが、しばらくしてまたもやびっくり 発言をかましてくれた!
「あのこんばんはの声ね。○○さんの声に似ていたわ〜」 と、油壷夫人宅に出入りしている人間だったら誰でもが知っている男性 の名前をあげたからたまらない。 「迂闊なことを言わないで」 と、おばあちゃまはまわりからしばらく責められる日々が続いて、絵を 盗まれたことよりも、こちらの騒動の方が後を引いて大変だったのだそ うだが、なんとも不可解な事件なのだった;;;
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