きまぐれがき
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昨晩ユキちゃんを散歩に連れて行った夫が、 「首輪がはずれて逃げた」と言いながら、はずれた首輪とリードだ けを持って戻ってきた。
「門さえ開けておけば、そのうち家に帰って来てるだろう」 なんて悠長にかまえている夫は、ユキちゃんを買い被っている。
自分の名前さえ1年経っても覚えられなかったあのユキちゃんが、 自分の家に帰れるはずがないじゃないか(パリになんか行けるは ずないじゃないか!。。。リュドヴィーク入ってます;;)、それに 誘拐や交通事故が怖いとわめき散らして、私と小豆は自転車で捜し に出た。 夫もそう言われればそうだと納得したのか、自転車の籠にユキち ゃん愛用のおもちゃやテニスボール、好物のチーズを入れて出陣。
幸い月夜で明るい。 田んぼの中の一本道、遠くの方にユキちゃんの白い影が過ぎった りしないかと目を凝らしてみても、大声で名前を呼んでみても、動く ものは見つからない。
3時間が経ち、捜し疲れて門の前で呆然と立っていた小豆と私の 前に、向こうからフルスピードでやってきた車がつんのめる様に止 まった。 と、同時に中から飛び出てきたご近所のおじさんが 「通りがかりに見かけた犬が、どうもお宅のユキちゃんらしい」 道端にきょとんと立っていた犬がいたので、「ユキちゃんか?」と、 声をかけてみたところ尾を振りながら逃げたそうな。 「あいつ。。。」
おじさんの車の後を自転車でついて行くと、田んぼの稲の間に見 え隠れしながら動く白いもの。やっと見つけた。 ところが、捕まえるのにまたひと騒動。 迷子になった子供が親の懐に飛び込んでくるように、どうしてなら ない? そんなに飼われるのが嫌なのか?
やっぱりチーズか;; チーズに釣られたユキちゃんを、どうにか捕まえることができたもの の、帰宅後はみんなフラフラ。 ユキちゃんは「もっと、もっと」と日ごろの3倍のお水を飲んだけれど、 気分が高揚しているらしくて落ち着かない。 家族から離れて初めての自由は、不安と恐怖でもあったのだろうな。
お腹を撫ぜながら「箱根強羅ホテル」で麻実と内野が歌った子守唄
いたずらやさんの〜坊や〜♪
を、今夜は何回も歌ってやった。
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