きまぐれがき
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2005年08月07日(日) ほんとは臆病もの

ある日

油壺夫人のパパの肝臓の手術が終わるのを手術室のそばの
待合室で、油壺夫人と私がまだかまだかと気をもみながら待っ
ているところへ、スリッパをペタンペタンと音立てながらたびたび
やって来て「まだ?終わらない?」「遅いなぁ」と言っては戻って
いく入院患者。

その男は有名な○○組のヤ○○さんで、何日か後にパパと同
じ手術をするものだから落ち着かないらしいと、油壺夫人から教
えてもらった。

ヤ○○さんは暇でしょうがないらしくて、子分みたいなのを一日
中怒ったり命令したりしている。
ママがパパのところに来ていることがわかると、それってどうな
の?と思いっきりひくようなエンジ色のサテンのガウンを、本人
はおしゃれなつもりで羽織ってフラ〜とパパの病室に進入して来
るのだよ。
そして愛想笑いをしながら家族の一員のようにそこにいる。
パパは面白がってヤ○○さんの話を聴いている。

ヤ○○さんのところに女がお見舞いに来ている時は、病室のドア
が閉まっているのですぐにわかっちゃう、と油壺夫人が言うので
「女って、その男の情婦かな」と、うっとりキム・ベイシンガー
などを想像してみた。
「うぅん、サンダルつっかけた安い女」にガクッ。

油壺夫人のパパが入院した日、油壺夫人とママが廊下で看護士
さんと話をしているところへ、そのヤ○○さんはどこからか忍び寄
ってきて、「こすげです」とさも懐かしそうに挨拶をしたのだそうだ。

ママは「こすげ。。。??」
。。。。。。
しばらく考えてから「ああ、小菅。拘置所ね」。

ヤ○○さんにしたら、小菅にある東京拘置所に拘置されていた時に、
ママが仕事で拘置所を訪れたことを知ったらしく、間違いなくお友達
感覚♪での挨拶となったらしい。
保護司のママ、拘置所で講演でもしたのか?
それにしても姓を名乗らず小菅を名乗るとは、ずいぶん拘置慣れして
いるもんだ。ヤ○○のサガか。。。

パパの手術が終わる予定時間をとっくに過ぎても、手術室の出入り
口に動きはみえない。
だんだん心配になってきている私たちのところへ、またペタンペタン
とスリッパの音もけたたましくやってきたヤ○○さん。

「(手術)失敗しちゃったんじゃないの」

の一言を残して去っていった。


後日談。
パパの手術は成功した。
ヤ○○さんは、ご自分の手術の前日に病院から逃亡したのでした〜
ふふふ〜臆病者\(^o^)/




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