きまぐれがき
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国会議事堂の近くを車で通りかかるたびに気になっていた一軒 の酒屋さん。 電機メーカーの秘書室を退職した私と入れ違うように入社し、 同室に配属された友人の妹さんの嫁ぎ先が国会議事堂の近く の酒屋さんだと訊いていたので、「あの坂を下りたところの酒屋 さんか〜?」と友人にメールをしてみた。
すぐに電話がかかってきて「近所に坂はないから違う」。 これですっきり。違うんだって。 それから延々親の介護の話となる。 かなり悲惨な話を朗るく笑いながら話すので救われる。 友人自身が甲状腺の異常で通院していた時の話なども、私は床 に突っ伏して笑わせてもらった。 この朗るさ、昔と少しも変わってないんだよね。
あの頃、恋に苦悩する女二人は御茶ノ水の聖橋の欄干からスモ ッグですすけた夕陽を眺めていた。
人妻に夢中だったあの時のアナタの恋人、どうしているかしらね〜? と訊いてみた。 多分、生きてないんじゃない。ベトナムにいるってところまでは 追跡したけど、あの女ぐせの悪さでは刺し殺されたかしてるんじゃ ないのとケロケロ笑っていた。
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