きまぐれがき
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↑若さが漲っていた頃のサーシャ。
こんなふうに今の時期には冬毛に覆われていなければならないはずの サーシャの身体が、今年は恐ろしいことになってしまっている。
先月あたりから情け容赦なく毛がどんどん抜けていき、恐る恐るブラシ をかけるとその部分の地肌が見えてしまうのだ。
もうこれは、何ヶ月ものませている心臓の薬の副作用にちがいないと 獣医にお伺いをたててみたところ「副作用なら、のませ始めたころに表 れるはずだし、ホルモンの関係かなぁ」と自信なげにおっしゃった。 ならば、そのホルモンに心臓の薬がなんらかの作用をしてこうなったの ではないのか?とも思ったのだが原因追求はやめた。 たとえそれが脱毛の原因だとしても、心臓の薬をやめるわけにはいか ないのだから。
今のところは、ペットショップで買ったセーターやフリースを着せて寒さ をしのいでいるけれど、これから先どうやって暖をとってやったらいいの だろうか。
昨日は、お散歩で時々逢うミミちゃんという名の小型犬を連れた強面の おじさんが「突然貧相になってどぉしたんや〜?」と言いながら、不気味 なものを見るような目つきでサーシャを見下ろした。 本人にむかって貧相とは、その目もさぁ。ちょっと失礼ではないかい。 首、腕とギラギラ輝く金鎖にヤ○ザ歩きのおじさんを、できることなら避 けたいけれど、連れている犬が可愛いのでその犬とだけお友達なのだ。
昨年、おじさんちのモモちゃんが死んだ時には、寝転がった犬が描かれ ている熨斗袋に入れたお香典とお花を持ってお通夜と葬儀にも行った。 「犬への香典ってどのくらい包むものなの?」と家人に訊かれたが、それ は私と犬の生前の関係がどんなものだったかによるのだと言って教えな かった。
おじさんに脱毛の経緯を話すと「薬やな。獣医もよくわかってへんのと ちゃう」。思うことは同じなのだった。
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